春節移動の雪に備え「Eagle Eye Guardian」強化 高徳地図で道路警戒を即時通知
春節(旧正月)に伴う大規模移動が本格化するなか、中国本土で雪や濃霧などの急変リスクに備えた道路安全警告システムの機能強化が進んでいます。ポイントは「局地的な天候の急変を数分で検知し、運転行動(減速・車間確保)を早めに促す」ことです。
何が起きた? 強化されたのは道路安全の“先回り警告”
中国安全科学技術研究院と中国本土のナビゲーション企業・高徳地図(Amap)は2月6日、「Eagle Eye Guardian(イーグルアイ・ガーディアン)」道路安全警告システムを春節の移動期に向けてアップグレードしました。
今回の強化は、大雨・降雪・濃霧といった極端気象が引き金になりやすい事故リスクへの対応が中心です。複数の気象データを統合することで、突発的で局地的な天候変化を数分以内に捉え、ドライバーへ事前警告を出せるようにしたといいます。
寒波と重なる2026年の春節移動、道路リスクは“同時多発”になりやすい
中国本土の国家気象センターによると、2月5日から7日にかけて中部・東部を中心に強い寒波が広がり、気温の急低下と雨雪が発生しました。浙江、安徽、山西、甘粛など一部地域では降雪やみぞれの可能性が指摘されています。
春節の移動は交通量が急増し、天候悪化が重なると「減速の連鎖」「視界不良」「路面状況の変化」が短時間で同時に起きやすいのが難しさです。こうした“変化の速さ”に合わせ、警告の精度とスピードを上げる狙いが見えます。
どうやって知らせる? ナビの裏側で「匿名データ+AI」が動く
高徳地図(Amap)のナビ利用者は自動的に同システムに接続されます。車列の前方で急減速や急ブレーキが起きた場合、センサーが変化を検知し、匿名化されたデータがクラウドへ送られます。そこでAI(人工知能)のモデルが道路状況をリアルタイムに評価し、影響を受け得るドライバーへ警告を配信する仕組みです。
今回のアップグレードでドライバーに促す行動は、端的には次の2点に集約されます。
- 速度を落とす
- 車間距離を広げる
トラック向けに“制動の現実”を反映:警告しきい値を最適化
注目点の一つが、トラック(重量車)向けの調整です。悪天候や高リスク区間では制動距離が伸びやすいため、ブレーキ警告のしきい値(警告を出す条件)を最適化し、より長い反応時間を確保できるようにしたと説明されています。
土台は5Gと北斗:広域・高頻度の警告を支えるインフラ
同システムは、中国本土のネットワーク基盤にも支えられています。記事によれば、5G基地局は483.8万局、測位は北斗衛星測位システムの高精度サービスを活用しているとされています。警告の“速さ”と“位置の確からしさ”を両立させるうえで、通信と測位は中核になります。
数字で見る春節移動:9.5 billion(95億)回の移動見込み
中国本土の国家発展改革委員会(NDRC)によると、春節期間の中国本土における地域をまたぐ旅客移動は95億回に達する見通しです。内訳では自家用車などの自動車移動が約8割を占めるとされ、ナビアプリ上での注意喚起や、路上の“異変”を拾う仕組みの重要性は増しています。
運用開始から約4か月で「累計112億件」の警告
このシステムは運用開始から約4か月で、累計112億件の警告を出したとされています。1日平均では8,800万件で、複数車両が関わる警告も14万7,000件超に上るとのことです。
数が多いこと自体が安全を保証するわけではありませんが、交通量が爆発的に増える時期に、注意喚起を「地図の表示」から「運転の直前行動」へ落とし込もうとする動きとして、今後の効果検証が注目されます。
Reference(s):
Road warning system upgraded as snow hits Spring Festival travel rush
cgtn.com








