内戦下のスーダン、行政手続きをオンライン化へ——国家プラットフォーム「Baladna」始動 video poster
スーダンで約3年に及ぶ内戦が続くなか、政府が行政サービスのオンライン化を進めています。インフラが傷む状況でも、手続きの停滞を減らし、記録を守る狙いがあるとされます。
「Baladna」に28の行政サービスを追加
スーダン政府によると、全国のデジタル化を担う国家プラットフォーム「Baladna(バラドナ)」に、行政関連のサービス28件が新たに追加されました。申請、登録、各種の公式取引などを、紙中心の手続きからオンラインの一元窓口へ移す構想です。
この取り組みは、官僚的な遅延を減らし、行政運営を近代化する広範な計画の一部と位置づけられています。Baladnaは昨年12月(2025年12月)に立ち上げられたとされています。
比較的安定するポートスーダンで「効率が上がった」との声
激しい戦闘の被害が大きい地域がある一方、紅海沿岸のポートスーダンは比較的戦火を免れてきたとされ、当局は「すでに業務効率の改善が見える」と説明しています。
スーダン税関で技術部門を率いるマジディ・マダニ少将は、技術的・物流上の課題があるなかでも進展がみられるとしたうえで、手続きの短縮、密輸の抑制、書類確認の容易化につながるとの見方を示しました。さらに、関税や税関手続きを経済活動や他の政府サービスと連携させることを目指すとしています。
「仲介」に頼らない手続きへ——利用者が感じるメリット
ポートスーダンにいるという実業家のバシール・ハシム氏は、保留中の取引の進捗を追跡できていると述べ、デジタル化によって従来の手続きで影響力を持っていた仲介者への依存が減る可能性に触れました。
一方で、接続が不安定な場面もあるとし、「戦時下では理解できる」としながらも、より速く安定した動作への期待を語っています。
残る課題:電力・通信の脆弱さと、集中型システムのリスク
今回の展開は、スーダンの「デジタル準備状況」の限界も浮き彫りにしています。広い地域で電力が不安定で、インターネットのカバーが弱く、紛争で通信インフラが損傷しているとされます。初期の利用者からは「可能性はあるが、動作にムラがある」という受け止めも出ています。
技術専門家からは、紛争下で中央集約型のデジタルシステムを走らせること自体に慎重な見方もあります。情報通信技術(ICT)の開発者であるモハメド・アシュラフ中尉は、最大の課題はインフラと安定性だと指摘し、代替的なネットワーク手段が整っても、厳しい状況下で全機関をつなぐには協力と調整が不可欠だと述べています。
また、専門家の間では、拡張のスピードがセキュリティ対策を上回れば、サイバーセキュリティや個人情報・データ保護が弱点になり得るという警告も出ています。
「戦後復興の土台」になるか——鍵は通信網の安定
政府側は、デジタル化を「長期投資」と位置づけ、記録の保全、透明性の向上、戦後復興に向けた基盤づくりにつながると主張しています。Baladnaがポートスーダンのような比較的安定した地域を超えて、どこまで一貫したアクセスを提供できるかは、通信網の回復・拡充と、国全体の安定に左右されそうです。
- ポイント:内戦が続く中でも行政のオンライン化を進め、手続きの遅延や紙の負担を減らす狙い
- 進展:Baladnaに行政サービス28件を追加、ポートスーダンでは効果を感じる声
- 懸念:電力・通信の不安定さ、機関間連携の難しさ、サイバーセキュリティとデータ保護
Reference(s):
Sudan moves government services online despite ongoing conflict
cgtn.com








