HonorがMWC 2026でヒューマノイド披露へ:具現化AIをめぐる競争が加速
中国本土のスマートフォンメーカーHonor(栄耀)が、近く開催される「Mobile World Congress 2026(MWC 2026)」でヒューマノイド(人型)ロボットを発表する見通しだと報じられました。家庭内サービスや見守り、日常支援といった“消費者向け”を狙う動きは、具現化AI(embodied AI)をめぐる次の主戦場を示しています。
Honorのヒューマノイド、何が分かっている?
中国メディア「証券日報(Securities Daily)」が2026年2月24日(月)に伝えた内容によると、HonorはMWC 2026でヒューマノイドをローンチし、主に個人・家庭市場での活用を想定しているといいます。
- 狙う用途:ホームサービス、スマートな“話し相手”、日常の支援
- 技術の特徴:バイオニック(生体模倣)関節設計、動的バランスのアルゴリズム
- 走行性能:最高4m/秒で走れる(報道ではBoston DynamicsのAtlasより約14%速いと説明)
Honorは2025年5月の会議でロボティクス研究を初めて公表しており、今回の発表は研究段階から“製品化”へ踏み出す節目として注目されます。また報道では、スマートフォンメーカーとして世界で初めてヒューマノイド領域に本格参入する例になるとされています。
キーワードは「具現化AI」:デジタルが“身体”を持つと何が変わる?
具現化AIとは、AIがロボットなどの“身体”を通じて現実世界を知覚し、行動し、学習していく考え方です。チャットのような対話だけでなく、家の中で「見て」「歩いて」「持って」「片付ける」といった連続した作業に広がります。
Honorの李健CEOは、2025年11月の世界インターネット大会(烏鎮サミット)で、AIデバイスが次世代の人と機械のインタラクション(やり取り)の中核になり、デジタルと物理世界の橋渡しを担う、という趣旨の発言をしたと報じられています。ポイントは「ユーザーの意図をリアルタイムに理解する」という方向性です。
なぜ“スマホメーカー”がロボットで強いと言われるのか
報道では、スマートフォン企業にはスマートハードウェアでの蓄積があり、AI端末(AI terminal)と具現化AIの双方で有力候補になり得るとされています。背景には、次のような強みがあります。
- 量産とコスト最適化:部品調達、製造、品質管理のノウハウ
- センサーと省電力設計:カメラ、IMU(慣性計測)、通信などの統合
- 端末×クラウドの設計:オンデバイス処理とネットワーク連携
- 消費者向けUX:家庭で使われる前提の使い勝手づくり
各社の動き:Xiaomiは“ロボット基盤モデル”を今月オープンソース化
競争はHonorだけではありません。記事が挙げた例として、Xiaomi(小米)は2021年に四足歩行ロボット「CyberDog」を投入。さらに2026年2月、同社初のロボティクス向け基盤モデル「Xiaomi-Robotics-0」をオープンソース化したとされています。消費者向けのGPUでも動作し、リアルタイム推論に対応、導入コストを下げる狙いが示されています。
また、vivoは2025年にRobotics Labを設立し、ロボットの「脳」と「目」に当たる領域(具現化AIモデル、イメージング技術)に注力していると報じられました。
中国本土勢以外でも、Bloombergは2025年8月に、AppleがiPadのような画面とロボットアームを組み合わせ、Siriで動く卓上型ロボットを開発していると報じています。パーソナル領域・家庭領域を中心に、各社がロボットの“置き場所”を探っている構図が見えます。
これから注目したい論点:家庭に入るロボットの「当たり前」をどう作るか
ヒューマノイドが家庭に近づくほど、技術の進歩だけでなく、運用の前提が問われます。たとえば——。
- 安全:転倒、接触、動作範囲の設計と検証
- プライバシー:カメラやマイクの扱い、データ処理の透明性
- 価格と保守:購入後のメンテナンスや更新の仕組み
- “役に立つ”の定義:掃除・運搬・見守り・会話など、価値が出る場面はどこか
MWC 2026でのHonorの発表は、スマートフォンの次に日常へ入り込む「新しい端末」の輪郭を、より具体的に見せる場になりそうです。
Reference(s):
China's Honor to debut humanoid robot as industry eyes embodied AI
cgtn.com







