中国本土、2025年宇宙打ち上げ92回 統計公報が示す技術加速
中国本土の国家統計局が2月28日(土)に公表した「2025年国民経済・社会発展統計公報」で、宇宙開発を含む技術分野の伸びが数字で示されました。打ち上げ回数や研究開発費、AIなど、2025年の到達点をまとめます。
ハイテク製造の伸びと、研究投資の厚み
統計公報によると、2025年は技術分野の勢いが増した一年でした。ハイテク製造業の付加価値生産は前年から9.4%増、関連企業の利益は13.3%増とされています。
- 研究開発(R&D)支出:3.93兆元(約5690億米ドル相当)/前年比8.1%増
- 発明特許の付与:97万2000件
「製造の伸び」と「研究投資」の両輪が同時に積み上がっている点が、今回の公報の読みどころです。
宇宙開発:2025年の打ち上げは92回、商業は50回
とりわけ目を引くのが宇宙分野です。中国本土は2025年に92回の宇宙打ち上げを実施し、このうち50回が商業ミッションだったとされます。打ち上げが「国家プロジェクト」だけでなく「商業活動」としても厚みを増している構図が浮かびます。
再使用ロケット技術も加速:朱雀3号と長征12A
再使用ロケット(繰り返し使うことを前提にしたロケット)関連では、朱雀3号と長征12Aが初飛行を行い、いずれも第2段の軌道投入に成功したとされています。コストや打ち上げ頻度に直結する領域だけに、今後の運用面の進展が注目されます。
深宇宙:天問2号が小惑星サンプルリターンへ出発
深宇宙探査では、天問2号が小惑星サンプルリターン(試料回収)の航行に入ったと報告されています。探査機の長期運用や遠距離通信など、多分野の技術の重なりが必要になるテーマで、次の節目がどこに置かれるのか関心が集まります。
軍事・先端技術:福建の就役、量子計算、人工太陽
統計公報は宇宙以外の「軍事・フロンティア技術」も列挙しています。
- 福建:電磁カタパルトを備える、中国本土初の国産設計・建造の空母が就役
- 超伝導量子コンピューター試作機:「祖沖之3号」の構築に成功
- 「人工太陽」計画:「1億度プラズマを1000秒維持」の世界記録
同じ「先端技術」でも、宇宙・軍事・計算科学・核融合と射程が広いのが特徴です。研究開発費の増加が、こうした多領域の同時進行を下支えしている様子が読み取れます。
AIと医療:DeepSeekが注目、侵襲型BCIの臨床試験も
AI(人工知能)では、国産の大規模言語モデル(LLM)としてDeepSeekが世界的な注目を集めたとされています。また医療・バイオ領域では、侵襲型のブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)について、初の臨床試験を実施したと報告されました。
AIが「情報処理の基盤」として広がる一方、BCIのように医療現場と接続する技術は、研究開発だけでなく倫理・安全性・制度設計も含めた議論が伴う分野です。統計公報に盛り込まれたこと自体が、政策面の関心の高さを示すサインとも言えそうです。
2026年に入って見えてきたこと:数字が語る「厚み」
今回の統計公報は、2025年の実績を「点」ではなく「面」として見せます。打ち上げ回数の多さだけでなく、商業ミッションの比率、再使用技術、深宇宙、量子や核融合、AI・医療応用までが一つの公報に並ぶことで、技術開発の層の厚さが強調される形になりました。
一方で、こうした成果が今後どの分野で社会実装や産業競争力の形になっていくのかは、打ち上げの継続性、運用実績、標準化、人材、資金循環など、別の「数字」でも追っていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








