中国、15次五カ年計画案で28のメガプロジェクト提示 高速鉄道・核融合・月探査も
中国が2026〜2030年を対象とする「第15次五カ年計画」案で、次世代の産業競争力を押し上げる28の大型プロジェクトを打ち出しました。高速鉄道から航空機エンジン、AIチップ、制御可能な核融合、再使用ロケット、月面探査まで、投資と研究開発の重点が一気に可視化された格好です。
「15次五カ年計画(2026-2030)」案、今週提出
計画の草案は今週木曜日(3月5日)に、国の最高立法機関にあたる全国人民代表大会に提出され、審査に付されました。狙いとして掲げられたのは「新質生産力(新しい質の生産力)」の育成で、次の4分野を軸に設計されています。
- 産業インフラの高度化
- 新興産業の育成
- 先端技術でのブレークスルー
- イノベーション能力の強化
“速さ”と“国産化”が同時に進む:CR450と基盤ソフト
象徴的なのが、試験最高時速450kmで設計された高速鉄道「CR450」です。計画では、試験運用を経て実用投入を目指すとしています。あわせて、国産の基本ソフト(OS)や産業用ソフト、ハイエンドのデジタル工作機械など、製造業の土台を支える領域も重点に据えられました。
さらに、大型クルーズ船やLNG(液化天然ガス)運搬船といった、裾野の広い重工分野も名指しされています。
空の大型案件:C929とCJ-1000A、C919増産も
航空分野では、長距離・広胴型ジェット機「C929」の開発加速と、民間ジェット向け高バイパスターボファン「CJ-1000A」エンジンの検証を進める方針です。あわせて「C919」の生産能力増強に加え、高地仕様の派生モデルや新エネルギー航空機の設計・投入にも触れています。
半導体から医療まで:実装フェーズを意識した“次の成長”
成長の新領域として、先端半導体製造の強化、高密度電池の展開、人型ロボットの実地活用などが列挙されました。宇宙分野では「能動的な宇宙防衛能力」の強化、長距離VTOL(垂直離着陸機)の開発も盛り込まれています。
医療・バイオでは、遺伝子治療の探索を進めるほか、BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース:脳信号を機器操作に使う技術)製品や、知能化した手術支援ロボットの応用を今後5年の射程に入れました。BCIは今年の政府活動報告で初めて取り上げられ、未来産業として量子技術、身体性AI、6Gなどと並んで位置づけられています。
フロンティア領域:AIチップ、量子、核融合、脳型AGI
最先端技術としては、高性能AIチップと汎用量子コンピューターの開発、制御可能な核融合の実現、脳に着想を得た人工汎用知能(AGI)システムの構築が掲げられました。競争が激しい分野ほど「研究だけでなく、産業化までの道筋」をどう描くかが注目点になりそうです。
深海と宇宙:資源・探査・月面拠点まで視野
海洋では、深海採鉱や油ガス開発に加え、深海の「宇宙ステーション」構想の準備が記されています。宇宙では、新たな惑星探査、地球近傍小惑星の防衛、太陽系の境界域の探査に触れたほか、国際月面研究ステーションの建設推進、再使用型の大型打ち上げロケット開発も含まれました。
研究基盤の拡充:国家実験室と世界級イノベーション拠点
計画案は、国家実験室の整備や大型の科学技術インフラ(研究施設)の建設、さらに世界水準のイノベーションセンター3カ所の設立を通じて、基礎研究から社会実装までの“土台”を厚くする方針も示しています。
今回の28プロジェクトは、輸送・エネルギー・情報・医療・宇宙といった分野を横断しており、技術の優先順位を読み解く手がかりになります。今後、具体的な予算配分や制度設計、産業界の巻き込み方がどう示されるのかが焦点です。
Reference(s):
China unveils ambitious mega-projects in five-year blueprint
cgtn.com








