シャオミがAIエージェント「micLaw」社内テスト開始、2026年“エージェント元年”の現場
中国テック企業が「次世代AIエージェント」の実装を急ぐ中、シャオミはシステムレベルのAIエージェント「micLaw」を限定的に社内テストとして始めたと、2026年3月6日に明らかにしました。会話で答えるだけのAIから、端末や暮らしの機能を“自律的に実行するAI”へ――その転換点が意識され始めています。
何が発表された? シャオミ「micLaw」の位置づけ
シャオミによると、micLawはAIの対話テスト製品で、最近注目を集める「OpenClaw」に近いコンセプトを持つとされています。今回、外部向けの広範な公開ではなく、まずは社内での限定的なテストから段階的に検証を進める形です。
「2026年はAIエージェント元年」と言われる理由
入力情報では、2026年が「AIエージェントの最初の年」と広く見なされているとされています。背景にあるのが、OpenClawのような“エージェント層(agentic layer)”の能力向上です。
- 従来:ユーザーがリアルタイムの会話コマンドで指示し、AIが回答や検索を返す
- 新潮流:AIがタスクを自律的に実行し、状況に応じて処理を進める(24時間の自動運用を想定)
つまり、会話中心のAIから「実行するシステム」へ重心が移りつつある、という整理です。
micLawの特徴:システムレベルで“端末を動かす”
シャオミは、micLawをシステムレベルのアプリケーションとして説明しています。単に質問に答えたりウェブ検索をしたりするのではなく、端末機能を直接コントロールできる点が核になります。
同社によれば、搭載する機能は50以上。例として、次のような操作が挙げられています。
- テキストメッセージやファイルの読み書き
- スマートホーム機器の操作
- スマートフォン内のシステムツールの操作
具体例:航空券購入を起点に“予定作成まで自動で”
例として示されたのは、スマートフォンが「ユーザーが航空券を購入した」情報を受け取った場合の動きです。micLawは、ユーザーのスケジュールを読み取り、天気を確認し、通勤時間を見積もり、関連するカレンダー予定・アラーム・音声リマインドを生成できるとされています。
ここでポイントになるのは、単発の回答ではなく、複数のアプリや情報をまたいで「次に必要な段取り」を組み立てる設計に寄っていることです。
IoT連携:スマホの外まで“実行範囲”を広げる
さらにmicLawは、シャオミのIoT(インターネットにつながる機器群)のエコシステムに接続し、接続機器の状態を読み取り、状況に応じて制御できるとされています。スマートフォン内の操作だけでなく、生活空間の機器へも実行が拡張されるイメージです。
またシャオミは、自社プラットフォームが10億台を超えるデバイスを接続していると説明しています。AIエージェントの「実行力」は、端末単体の性能だけでなく、接続先の多さにも左右されるため、こうした土台がどのように活用されるかが注目点になりそうです。
「AIスマホ第3段階」——業界が見ている次の競争軸
AI分野のエンジェル投資家、郭涛(Guo Tao)氏は、今回の動きがAI端末の勢力図を変える可能性に触れつつ、業界ではシステムレベルのエージェントが“AIスマートフォン開発の第3段階”と見られている、と述べたとされています。
会話AIの便利さが一般化するほど、「どこまで実行を任せるのか」「実行の品質や安全性をどう担保するのか」といった設計思想が、端末体験の差として表に出やすくなります。今回の社内テストは、その“分かれ道”を見極める初期の動きとして読むこともできそうです。
今後の見どころ:自律実行は便利さと設計の両方が問われる
システムレベルで端末機能を扱うエージェントは、便利さが増す一方で、権限設計や操作の透明性(なぜその操作をしたかが分かるか)、誤作動時の取り消しや確認など、体験の作り込みが重要になりがちです。micLawのような取り組みが、日常の「手間」をどこまで静かに減らし、どんな新しい使い方を生むのか。2026年の技術トレンドとして、じわじわと存在感を増しそうです。
Reference(s):
Chinese tech giants move into 'next-generation AI agents' deployment
cgtn.com







