米中関係は「誠意あるが原則は譲らず」 謝鋒大使がNYの経済界集会で強調
米中関係の先行きを左右する「政治の温度差」を、経済界がどう埋めるのか。2026年1月15日(現地時間)の在米中国商工会議所(CGCC)年次ガラで、駐米中国大使の謝鋒氏が「協力なら共に得をし、対立なら共に損をする」という見方を改めて示しました。
「誠意はあるが、主権・安全・発展利益に妥協の余地はない」
謝氏は基調講演で、中国は米国との関係発展に「誠意」を持つ一方、守るべき原則も明確だと述べました。特に、主権、安全、発展利益に関わる重要問題については「妥協の余地は全くない」と強調しています。
この言い回しは、対話の継続と同時に「一線」を明確化するメッセージでもあり、経済界が求める予見可能性(先が読めること)とも重なります。
「協力で得、対立で損」——変わらない“歴史の教訓”として提示
謝氏は、米中関係がどう展開しようとも「両国は協力から利益を得て、対立から損失を被る」という歴史的事実は変わらないと述べました。経済面では、相互依存が深い分、関係悪化のコストが広範囲に波及しやすい、という含意があります。
2025年の「釜山での首脳合意」を“行動”で——協力リスト拡大と障害除去を要請
謝氏は、昨年(2025年)の釜山での首脳会談で到達した重要な共通認識について、米側が中国と「同じ方向に向かい」、実際の行動で実施してほしいと期待を示しました。具体的には次の点を挙げています。
- 協力のリスト(協力分野)を拡大する
- 障害や妨害を取り除く
- 米中関係を健全で、安定的かつ持続可能に発展させる
投資環境への言及:ビザや入国手続きの円滑化も
謝氏は、企業間で協力の潜在力を掘り起こし、より実務的なパートナーシップを築けるとしたうえで、「双方向で互恵的な協力」が必要だと述べました。
同時に、米政府に対しては、中国企業が米国で投資・事業運営を行う際に、開放的で公正、非差別的な環境を整えることを期待すると表明。ビザや国境での入国手続きの円滑化を含め、「障害を設けるのではなく後押しを」との趣旨も示しています。
会場の空気:経済界は“長期目線の関係”を探る
会合には約300人が出席し、米中のビジネスコミュニティ関係者が中心だったとされます。ガラでは、経済成長や文化交流、コミュニティへの関与で貢献した複数企業が表彰されました。
また、Vornado Realty Groupの社長兼最高財務責任者(CFO)、マイケル・フランコ氏は、これまでの中国側パートナーとの関係について「プロフェッショナリズム、相互尊重、自信、長期的成功への共同コミットメント」で特徴づけられてきたと述べ、今後も協力を続けたい意向を示しました。
CGCCとは:米中企業をつなぐ「実務の回路」
CGCCは2005年設立で、米国内で米国企業と中国企業をつなぐ最大級の非営利組織と位置づけられています。政治が揺れるときほど、企業側はサプライチェーン、投資、雇用、研究開発といった“日々の意思決定”が止まらないよう、対話の回路を確保したいという現実があります。
ここからの焦点:協力分野は広がるのか、手続きは軽くなるのか
今回の発言は、関係の枠組みを「対立か協力か」という二択に単純化せず、どの分野で具体的な協力を積み上げるのか、また企業活動のボトルネック(手続き・運用)をどう減らすのかに視線を戻す内容でした。
2026年に入り、経済界が求めるのは派手な合意よりも、実務が回る安定感なのかもしれません。次に動くのは、協力リストの中身なのか、それとも投資・往来の環境整備なのか——注目が集まります。
Reference(s):
China is sincere but principled in developing China-U.S. relations
cgtn.com








