中国本土、2026年も国内需要拡大へ 全人代会見で消費押し上げ策
中国本土が2026年、内需(国内需要)をいっそう拡大し、消費を経済成長の中心に据える方針を示しました。第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の報道官を務める婁勤倹(ろう・きんけん)氏が、2026年3月4日の記者会見で説明しました。
「消費は成長の第一のエンジン」——2026年の基本方針
婁氏は「消費は経済成長をけん引する第一のエンジンだ」と述べ、消費刺激に向けた強い措置を講じ、強固な国内市場の構築を加速させる考えを示しました。供給面と需要面の両方から、消費を支える設計を進めるという位置づけです。
供給面:質の高い財・サービスを増やし、買い替え需要も後押し
供給側では、質の高い商品・サービスの提供を増やす方針が語られました。会見で挙げられた主な方向性は次の通りです。
- サービス消費の高度化(アップグレード)に向けた取り組みを実施
- サービス分野で新たな成長ドライバー(成長の源泉)を育成
- 消費財の下取り・買い替え促進策を最適化し、製品の更新や置き換え需要を喚起
- より国際化した消費環境づくりを進め、消費の「場面(シーン)」を多様化
- 購買促進策の一環として「Shopping in China」キャンペーンを展開
「モノ」だけでなく「サービス」に重点を置きつつ、買い替えや更新といった循環も取り込み、消費の厚みを増やす狙いがうかがえます。
需要面:雇用・所得と生活不安の軽減を、消費の土台に
需要側について婁氏は、消費促進と人々の暮らしの改善を密接に結びつける姿勢を強調しました。家計の購買力と安心感を支える政策が、消費の伸びを左右するという見立てです。
- 質の高い雇用の促進
- 都市・農村住民の所得増加計画を実施し、家計の購買力を強化
- 基礎的な公共サービスへの公平なアクセスを段階的に推進
- 教育、保育、介護、医療の制度整備を進め、消費の心理的な障壁を下げる
消費は気分ではなく「将来不安の度合い」にも左右されます。今回の説明は、雇用・所得と社会サービスの整備を通じて、消費を下支えする設計を重視するものと言えます。
2025年の振り返り:小売総額は初の50兆元超、成長寄与は52%
婁氏は2025年(昨年)の実績にも言及しました。消費刺激の一連の取り組みにより消費市場は着実に拡大し、社会消費品小売総額は初めて50兆元(約7.25兆ドル)を超えたとしています。経済成長への寄与は52%だったという説明です。
また、消費構造の高度化が続き、サービス消費も勢いを増したとし、サービス小売は5.5%増だったと述べました。
訪中消費も伸長:ビザ免除拡大と免税還付改善で「ほぼ倍増」
会見では、インバウンド(訪中)消費の増加も取り上げられました。中国本土はビザ免除入国政策を拡大し、出国時の税還付(免税還付)措置を改善した結果、出国する旅行者向けの税還付対象商品の年間販売額がほぼ倍増したと説明しています。
2026年の見どころ:サービス・買い替え・安心感がどう噛み合うか
2026年は、サービス分野の供給拡大と、雇用・所得、そして教育や医療などの生活基盤の整備が、どの程度同時に進むかが焦点になりそうです。政策パッケージが「使いたい消費」だけでなく、「ためらいを減らす仕組み」まで含めて設計されている点は、今後のデータや現場の動きと合わせて注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








