中国、ビザ免除を38カ国に拡大 「China Travel」ブームの背景 video poster
中国がビザ免除政策を38カ国に拡大し、オンライン上では「China Travel」がトレンド入りするなど、中国旅行への関心が高まっています。2024年に上海で開催された中国国際旅遊交易会では、旅行のしやすさや新しい観光商品、国際・地域間の協力が前面に出され、中国の国家観光イメージ「Hello! China」が打ち出されました。本記事では、この動きが日本を含む世界の旅行者にとって何を意味するのかを整理します。
中国、38カ国へのビザ免除拡大とは
今回の発表では、中国がビザ免除の対象を38カ国に広げたことが伝えられています。これにより、対象となる国の人々は、一定期間であればビザを事前に取得せずに中国を訪問できるようになります。
ビザ免除の拡大は、観光客や短期出張者にとって次のようなメリットにつながる可能性があります。
- 大使館・領事館でのビザ申請手続きが不要になり、渡航準備の時間と手間が減る
- 「思い立ったら行ける」目的地として、中国が選択肢に入りやすくなる
- 団体旅行だけでなく、個人旅行や週末旅行といった柔軟な旅のスタイルが取りやすくなる
一方で、実際にどのくらいの期間滞在できるのか、どのような目的での入国が認められるのかなど、具体的な条件は国や地域ごとに異なることが一般的です。渡航を検討する際には、最新の入国条件を確認することが重要になります。
2024年・上海で開かれた中国国際旅遊交易会
ビザ免除の拡大とあわせて注目されるのが、2024年に上海で開かれた「中国国際旅遊交易会」です。このイベントは、中国の観光産業や各地の観光資源を国内外にアピールする場であり、今年は特に次のようなテーマが打ち出されました。
- 旅行の利便性(トラベル・ファシリテーション)の向上
- 新しい観光商品や旅行スタイルの開発
- 国際・地域間の観光協力の強化
会場では、中国の各地域が特色ある観光コンテンツを紹介し、海外の観光関連企業や機関との対話が行われました。国家観光イメージとして掲げられた「Hello! China」というメッセージには、「気軽に訪れてほしい」「中国に来て、直接見て・感じてほしい」という歓迎の姿勢が込められているように受け取れます。
キーワードは「行きやすさ」と「新しい体験」
ビザ免除の拡大と、中国国際旅遊交易会での議論をあわせて見ると、中国の観光政策は大きく二つの方向性を持っていると考えられます。
- 行きやすくすること(移動のハードルを下げる)
- 行きたくなる理由を増やすこと(体験の質と選択肢を広げる)
旅行の利便性という観点では、ビザ免除だけでなく、オンラインでの手続きや決済の整備、空港や鉄道など交通インフラの改善といった要素が関わってきます。
一方で「新しい観光商品」は、一般的に次のような方向性を含むことが多いです。
- 自然、歴史、グルメ、アートなどを組み合わせた体験型のツアー
- 地方都市や少数の人しか知らないスポットを巡る深掘り型の旅
- デジタル技術を使った展示やガイド、キャッシュレス決済を活用したスムーズな観光
こうした流れの中で、ビザ免除の拡大は「行きやすさ」を象徴する政策として、観光商品やイメージ戦略と連動していると見ることができます。
SNSで広がる「China Travel」トレンド
オンライン上では「China Travel」というキーワードがトレンド入りし、旅行の写真や動画、体験談がシェアされています。X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのプラットフォームでは、次のようなコンテンツが人気になりやすいと考えられます。
- 都市の夜景や歴史的な街並みを切り取った短い動画
- 地域ごとの料理を紹介するグルメ投稿
- 高速鉄道や都市の交通網をテーマにした「移動の記録」
- 観光地だけでなく、日常の風景を映し出すスナップ写真
SNSを通じて、旅行者一人ひとりの視点が伝わることで、「中国旅行」と聞いて思い浮かべるイメージも、多様で立体的なものに変わりつつあります。ビザ免除の拡大は、こうしたオンライン発のムーブメントをさらに後押しする可能性があります。
日本の読者にとってのチェックポイント
日本の読者にとって、今回の動きから押さえておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国旅行が「検討しやすい選択肢」になる可能性
ビザ免除の対象となる国・地域にとっては、中国への旅行がこれまでよりも直感的に選びやすくなります。日本からの渡航についても、周辺国の動きを見ることで、アジア全体の観光競争・協力のあり方を考えるヒントになります。 - 観光だけでなく短期ビジネスにも影響
短期間の出張や視察といったビジネス目的の渡航にも、ビザ免除は影響を与える可能性があります。出張の計画が立てやすくなれば、企業同士の交流も活発になりやすくなります。 - 「国際・地域間協力」の行方に注目
中国国際旅遊交易会で掲げられた「国際・地域間の観光協力」というテーマは、各国・各地域が連携して観光ルートをつなぎ合うことを示唆しています。今後、周遊型のツアーや共同プロモーションなどがどのように発展していくかは、日本の観光業界にとっても無関係ではありません。 - 渡航前の情報収集はこれまで以上に重要
ビザ免除の有無や条件は、国際情勢や政策によって変化することがあります。旅行を計画する際には、ビザや入国条件に関する最新情報を確認することが、安心して旅を楽しむ第一歩になります。
観光政策から読み取る「Hello! China」のメッセージ
ビザ免除の拡大、「China Travel」のオンラインでの盛り上がり、そして「Hello! China」という国家観光イメージ。この三つを合わせて見ると、中国が観光を通じて「開かれた交流の場」をつくろうとしている姿勢が浮かび上がります。
観光は、経済効果だけでなく、お互いの社会や文化に対する理解を深める役割も持っています。実際に現地を訪れ、自分の目で見て、肌で感じた情報は、SNSやニュースだけでは得られないものです。
中国が進めるビザ免除拡大や観光イベントの取り組みは、旅行者に対して「もっと気軽に来てほしい」というメッセージであると同時に、国際社会との関係を観光を通じて豊かにしようとする試みとも言えます。今後、この動きがどのように続き、アジアや世界の観光地図をどう変えていくのか、静かに注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








