マカオ返還25年 パンシー・ホー氏が語る「観光都市」への変貌と一国二制度 video poster
返還から25年を迎えたマカオ特別行政区は、植民地支配下の小さな島から「包括的で総合的な観光都市」へと大きく姿を変えた――。信徳集団(Shun Tak Group)のパンシー・ホー執行会長兼マネージングディレクターは、この四半世紀の歩みをそう評価しています。
小さな植民地の島から、総合観光都市へ
マカオはかつて「植民地支配下の小さな島」と表現される存在でしたが、現在は「ホリスティックかつ包括的な観光デスティネーション(観光目的地)」へと変貌したとされています。単なる観光地ではなく、都市全体が一体となった総合的な観光拠点としての性格が強まった、という見立てです。
観光都市としてのマカオは、宿泊、飲食、娯楽、文化体験などを一つのパッケージのように提供できる点で、かつての姿から大きくステージを変えたと言えます。ホー氏が注目するのは、この変化が短期的なブームではなく、25年という時間をかけて積み上がってきた点です。
パンシー・ホー氏「実質的で意義ある変化」
ホー氏は、マカオの変化を「実質的で、かつ意義のあるもの」と評価しています。単に街並みが変わったり、観光客の数が増えたりしたという表層的な話ではなく、都市の「ポジショニング」と「プロフィール(対外的な印象・役割)」そのものが変わったという指摘です。
ここでいうポジショニングとは、国や地域、都市が「自分は何者なのか」「どのような役割を担うのか」を国内外に示す立ち位置のことです。マカオの場合、「総合的な観光都市」という明確な姿を描き、それに合わせて都市機能やイメージを磨き上げてきた、と読み取ることができます。
一国二制度が生んだ「特別なポジション」
ホー氏によれば、この25年の変化の背景には、「一国二制度」の枠組みによって与えられたマカオの「特別なポジショニング」があります。一国二制度とは、ひとつの国の中で、異なる社会制度や経済制度を認める仕組みです。
マカオ特別行政区は、この枠組みのもとで自らの強みを生かしつつ、中国全体の発展の中でどのような役割を果たすかを模索してきました。観光に力点を置いた都市づくりは、その選択の一つの形と見ることができます。
中央政府の「後押し」とマカオ
ホー氏はまた、マカオの変貌には「中央政府からの大きな励ましと後押し」があったと強調しています。制度面での支えと、長期的な視点に立った政策的なサポートが組み合わさることで、都市の性格を大きく転換するような変化が可能になった、という見方です。
こうした支援は、マカオが自らの役割を明確にし、国際的な観光都市としてのプロフィールを築くうえで、重要な土台となってきたと考えられます。
マカオの変化が示すもの
返還から25年のマカオの歩みは、都市や地域が自らのポジションをどのように定義し、それをどう実現していくかという点で、多くの示唆を与えます。
- 「自分たちは何を強みにするのか」を明確にすること
- その強みを生かせる制度や仕組みを整えること
- 長期的な視点で一貫した支援を続けること
ホー氏が語るマカオの「実質的で意義ある変化」は、この三つが組み合わさることで初めて実現しうる、というメッセージとしても読めます。
これからの25年に向けて
小さな植民地の島から総合観光都市へ――。マカオの25年は、一つのモデルケースとして、アジアや世界の他の都市にもさまざまな問いを投げかけています。
一国二制度のもとで育まれてきた特別なポジションと、中央政府の後押しを背景に、マカオがこれからどのような次のステージを目指すのか。その行方は、観光や都市政策に関心を持つ読者だけでなく、国際ニュースを追う多くの人にとっても、注目に値するテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
Pansy Ho: Macao – successful transition of its own positioning and profile in 25 years
cgtn.com








