北京の「12345」ホットライン 外国人にも届く都市ガバナンスとは video poster
北京で開催された「Beijing Forum on Swift Response to Public Complaints」では、中国と海外の都市から集めた40件の都市ガバナンス事例が紹介され、市民からの苦情や要望にどう素早く対応するかが共有されました。本記事では、その中で注目された北京の「12345」ホットラインと、多文化都市としての北京を外国人の視点から見ていきます。
市民の声に素早く応えることを競うフォーラム
フォーラムのテーマは、公共の苦情や相談に迅速かつ丁寧に対応する都市ガバナンスです。中国の都市だけでなく、海外の都市からも事例が持ち寄られ、異なる文化や制度のもとでどのような工夫がなされているのかが議論されました。
40の代表事例が示す多様なガバナンスのかたち
紹介された40のケースは、いずれも「市民の声をどう受け止めるか」という共通の課題に向き合ったものです。オンライン通報システムや相談窓口の一本化、現場での対話の仕組みづくりなど、都市ごとに異なるアプローチが示されたとされています。
こうした事例を並べて見ることで、都市ガバナンスに「唯一の正解」はなく、歴史や文化、住民構成に応じて仕組みを柔軟に設計していく重要性が浮かび上がります。
外国人にも影響力を持つ北京の「12345」ホットライン
なかでも、北京の「12345」ホットラインは、外国人の間でもよく知られた存在として紹介されました。北京に暮らすトルコ出身のエクスパットは、この「12345」が外国人にとっても影響力のある窓口になっていると指摘しています。
覚えやすい番号に一本化されたホットラインは、市民や北京に暮らす人々が、生活上の困りごとや公共サービスへの意見を行政に伝えるための入り口です。言葉や制度の違いから行政との距離を感じがちな外国人にとっても、「まずここに連絡すればよい」という明確な窓口の存在は、都市への信頼感につながりやすいと言えます。
- 相談窓口が番号ひとつにまとまっている安心感
- 生活インフラや公共サービスに関する幅広い相談ができる点
- 外国人の声も都市ガバナンスに反映され得るというメッセージ
多文化都市としての北京をどう捉えるか
フォーラムには、CGTNの陳蘭友(Chen Lanyou)氏と、中国外交学院の博士課程に在籍するジェシカ・ドゥルドゥ(Jessica Durdu)さんも参加し、北京を多文化都市としてどう見るかについて議論しました。
ドゥルドゥさんは、北京の都市ガバナンスを「外から来た人の視点」から読み解く存在です。公共サービスや苦情対応の仕組みが、北京の人々だけでなく、さまざまな国と地域から来た人たちにも開かれているかどうかは、都市の魅力や競争力を測る指標にもなります。
日本の都市が学べるポイント
2025年現在、日本の多くの都市も、人口減少や多文化共生といった課題に直面しています。北京フォーラムで示されたような「素早い対応」と「わかりやすい窓口」は、日本の都市ガバナンスにもヒントを与えてくれます。
たとえば、
- 相談窓口やホットラインの番号・名称をできるだけシンプルにすること
- 日本語話者だけでなく、外国人にも利用しやすい説明や相談環境を整えること
- 寄せられた声を単なる「苦情処理」ではなく、都市づくりの資源として活用すること
北京の「12345」ホットラインと、フォーラムで共有された40の事例は、「市民の声にどう応える都市でありたいのか」という問いを、私たちにも静かに投げかけています。日常の小さな不便から都市の大きな方向性まで、行政と住民が対話を重ねる仕組みをどう育てていくかが、これからの都市の姿を左右していきそうです。
Reference(s):
Turkish expat: 12345 hotline influential among foreigners in Beijing
cgtn.com








