中国の氷雪経済が加速 テックと観光が支える2025年の冬ビジネス video poster
2025年の年明けから、中国では「氷雪経済」と呼ばれる冬のビジネスが一気に存在感を高めました。北部のスキー場や観光地だけでなく、南部の雪・氷関連装備メーカーまで巻き込み、テクノロジー、観光、大型スポーツイベントが連動して経済を押し上げています。2025年12月現在、本格的な冬シーズンを迎える中で、その動きをあらためて整理します。
北のゲレンデから南の工場まで広がる氷雪ビジネス
中国の氷雪経済は、これまで冬が厳しい東北部や北部の地域が中心でした。しかし2025年初めには、
- 北部の人気スキー場や氷雪観光地
- 南部にある雪・氷関連の装備メーカー
といった、地理的にも産業構造的にも異なるプレーヤーが一体となって動き始めています。
背景にあるのは、冬季スポーツ人口の増加と、冬の観光需要の高まりです。家族連れや若い世代が、雪景色やスキーを楽しむために国内を移動し、それを支える形でリフト設備、除雪機、ウェアやギアなど、関連産業が裾野を広げています。
足元のデータがカギ スキー用インソールの高度化
吉林省の東北師範大学にある研究室では、スポーツテックを活用した興味深い取り組みが進んでいます。研究者たちは、アスリートの足のデータを詳細に計測・モデリングし、一人ひとりに合わせたスキー用インソール(中敷き)を開発しています。
ポイントは、足裏の形状や荷重のかかり方をデジタルデータとして「見える化」することです。
- 足のサイズだけでなく、土踏まずの高さや左右のバランスを計測
- 滑走時の圧力分布をシミュレーションして、最適な硬さや厚みを設計
こうしたインソールは、ターンの安定性を高め、疲労を軽減する効果が期待されます。トップアスリートだけでなく、一般のスキーヤーにも応用できる技術として注目されており、中国の氷雪経済の中で「データ×装備」の象徴的な例と言えます。
リチウム電池の除雪車 環境と効率を両立
氷雪経済を支えるのは、ゲレンデや道路を整備する裏方のテクノロジーでもあります。浙江省金華市の企業では、従来のガソリン式からリチウム電池を使った「新エネルギー型」のスノープラウ(除雪車)を開発し、テストを行っています。
リチウム電池タイプの除雪車には、次のような利点があります。
- 排出ガスが出ないため、環境負荷を抑えられる
- エンジン音が小さく、観光地や住宅地での運用に向く
- 電動モーターの制御性が高く、細かな作業がしやすい
南部の製造業の技術力が、雪の多い北部のインフラ整備を支えるという構図は、中国の氷雪経済が「地域をまたぐ産業ネットワーク」として成長していることを示しています。
第9回アジア冬季競技大会と観光需要の相乗効果
2025年の初め、中国では第9回アジア冬季競技大会を控え、氷雪経済への注目が一段と高まりました。大会に向けた準備の過程で、
- 競技施設や周辺インフラの整備
- トレーニング環境の高度化
- 大会をきっかけにした観光プロモーション
などが進みました。こうした投資は、大会期間に限らず、その後の観光やスポーツ人口拡大にも長期的な効果をもたらすと見られています。
現地では、中国のメディアもデジタル記者による現場レポートを通じて、競技だけでなく地域の氷雪文化や産業の姿を発信しています。スポーツイベント、観光、テックの三つがつながることで、氷雪経済のストーリー性が高まり、国内外の関心を集めています。
2025年冬、中国の氷雪経済はどこへ向かうか
2025年12月現在、中国では再び冬の観光シーズンが本格化しつつあります。今年序盤から見えてきた氷雪経済の特徴を整理すると、次の三点が浮かび上がります。
- 北部のスキー場から南部の装備メーカーまで、地域をまたぐ産業連携
- 足のデータ活用や新エネルギー型除雪車など、テクノロジーの積極的な導入
- アジア冬季競技大会をはじめとするイベントと観光需要の相互作用
こうした動きは、中国の冬季スポーツ市場の拡大だけでなく、エネルギー転換や地方振興の面でも影響を与える可能性があります。日本の読者にとっても、冬の観光やスポーツテック、環境対応型インフラといったテーマで、中国との比較や連携を考える材料になりそうです。
氷と雪をめぐる経済は、一見ニッチな分野に見えますが、その背後には産業構造の変化やテクノロジーの進化が凝縮されています。2025年の冬、中国の氷雪経済の動きは、アジア全体の冬のライフスタイルとビジネスの未来を映す鏡になりつつあります。
Reference(s):
Tech, snow equipment, events and tourism fuel China's winter economy
cgtn.com








