中国・シーザン自治区地震 新年とともに戻る日常と復興のいま video poster
今年1月に大きな地震に見舞われた中国西南部のシーザン自治区(Xizang Autonomous Region)の被災地で、生活が少しずつ日常を取り戻しつつあります。チベット暦の新年を迎えた地域を取材した中国の国際メディアCGTNの報道から、復旧・復興の歩みをたどります。
今年1月の地震がもたらした被害
中国西南部に位置するシーザン自治区は、標高の高い山岳地帯が広がる地域です。今年1月、この地域を大きな地震が襲い、多くの家屋が損壊し、道路や水道などのインフラにも被害が出ました。冬の厳しい寒さの中での避難生活は、住民にとって大きな負担となりました。
チベット暦の新年がもたらした節目
そんな中で迎えたチベット暦の新年は、被災地の人びとにとって大きな節目となりました。伝統の衣装を身にまとい、家族や近所の人たちと食卓を囲む時間が戻りつつある様子が、現地の映像から伝わってきます。一部の家庭では、まだ仮設住宅での暮らしが続いていますが、小さな祭壇を設けて新年を祝う姿も見られます。
CGTNのヤン・ジンハオ記者は、被災地を訪れ、地震直後から支援を続けてきた人びとの声を伝えました。新年の飾り付けが施された街角や市場には、少しずつ活気が戻り、子どもたちの笑い声が響いています。
生活を支える復旧・復興の取り組み
生活が「平常」に近づくためには、日々の暮らしを支える仕組みがどこまで戻るかが重要です。報道によると、被災地では次のような動きが進んでいます。
- 仮設住宅や簡易住宅の整備が進み、多くの家族が安全な住まいを確保しつつあること
- 道路や橋、水道などの基礎的なインフラの復旧が進み、物資の輸送や通学・通院がしやすくなっていること
- 地元の市場や小規模な商店が営業を再開し、地域経済の動きが徐々に回復しつつあること
- 学校が再開され、子どもたちが仲間とともに学び、遊ぶ時間を取り戻しつつあること
地元当局や支援チームは、被災した住民の生活再建を支えるため、住宅再建の支援や、仕事を失った人への雇用機会の提供などにも取り組んでいると伝えられています。
心の復興というもう一つの課題
建物や道路が元に戻っていく一方で、地震の恐怖や不安から完全に立ち直るには時間がかかります。特に子どもや高齢者にとって、深夜の揺れや避難の記憶は簡単には消えません。地域の人びとは、互いに声をかけ合い、祭りや行事を通じてつながりを強めることで、心の傷を少しずつ癒やそうとしています。
チベット暦の新年にあわせて行われた祈りや伝統行事は、そうした「心の復興」を支える大切な時間でもあります。新年の歌や踊りに参加することで、また前を向いて歩いていこうという共有された感覚が生まれていることがうかがえます。
災害の多い時代に私たちが考えたいこと
今回のシーザン自治区の地震とその後の復旧の様子は、地震国で暮らす私たちにとっても、他人事ではありません。住宅の耐震性や、寒冷地・山間部での避難生活をどう支えるか、インフラをどう早く復旧させるかといった課題は、多くの地域に共通しています。
同時に、生活再建のプロセスでは、物理的な復旧だけでなく、地域の文化や行事を大事にしながら日常を取り戻していくことが、住民の心の支えになることも見えてきます。伝統とコミュニティの力が、災害から立ち上がる力を後押ししていると言えるでしょう。
地震から時間が経っても、被災地の完全な復興には長い道のりが続きます。チベット暦の新年という一つの節目を通じて見えてきたのは、静かだが確かな前進の姿です。こうした現地の歩みに目を向けることは、これからの災害への備えや、被災地支援のあり方を考えるヒントにもなります。
Reference(s):
Life in Xizang's disaster-hit region gradually returns to normal
cgtn.com








