中国・塩湖の春節ショー 炎と水が舞うソアリング・ファイア・ケトルズ video poster
炎と水しぶきが夜空を彩る、中国・塩湖の春節ショー
2025年の春節(旧正月)連休期間中、中国北部・山西省運城市の塩湖「塩湖(ヤンフー)」では、訪れた人々に忘れられない祝祭体験を提供するイベントが行われました。なかでも注目を集めたのが、伝統の火の演出と水上パフォーマンスを組み合わせたソアリング・ファイア・ケトルズです。
舞台は中国北部・山西省運城市の「塩湖」
会場となったのは、中国北部・山西省運城市にある塩湖エリアです。春節連休の期間中、この塩湖一帯は大規模な屋外ステージへと姿を変え、多くの旅行者や家族連れが集まりました。水面を背景にした夜のパフォーマンスは、都市部のショッピングモールとは一味違った「自然と祝祭」の組み合わせとして注目されています。
目玉はソアリング・ファイア・ケトルズ
イベントのハイライトとなったのが、ソアリング・ファイア・ケトルズと呼ばれるパフォーマンスです。これは、もともと地上で行われてきた伝統的な火のケトル(火の入った器)を使うショーと、水上ジェットの一種であるフライボードのアクロバットを組み合わせたものです。
湖面から噴き上がる水柱の上に立ったパフォーマーが、夜空を背景に炎を操る──そんなダイナミックな光景が、観客の目の前で展開されました。
- 湖面から吹き上がる力強い水柱
- 空中で回転しながら火のケトルを振るパフォーマー
- 水しぶきと火花が描く、光の軌跡
伝統的な火の演出と、現代的な水上スポーツがひとつのショーとして融合することで、撮影や動画配信との相性も良い「見せる祝祭」のかたちが生まれています。スマートフォンでの撮影を前提にしたような構成は、若い世代の観客を意識した演出とも言えそうです。
伝統の「鉄の花」、ランタン、たき火も並ぶ多層的な祝祭空間
ソアリング・ファイア・ケトルズと並ぶ見どころが、溶かした金属を使った鉄の花のパフォーマンスです。高温で溶かした鉄を勢いよく投げ上げると、夜空いっぱいに無数の火花が広がり、まるで巨大な花火のような光景が生まれます。長く受け継がれてきた火の技が、春節の夜を象徴的に照らします。
会場周辺では、色とりどりのランタン(ちょうちん)ショーやたき火パーティーも実施され、ゆっくりと歩きながら光の装飾を楽しんだり、火を囲んで語り合ったりする姿が見られました。華やかなショーを「見る」時間と、家族や友人と温かい時間を「過ごす」ひとときが、同じ空間の中で共存しているのが印象的です。
なぜこの春節イベントが注目されるのか
中国各地で春節イベントが行われるなか、塩湖での試みがニュースとして取り上げられる背景には、いくつかのポイントがあります。
- 伝統とイノベーションの融合:火のケトルや鉄の花といった伝統的な技に、水上フライボードや照明演出などの新しい要素を重ね、過去と現在をつなぐ構成になっていること。
- 「体験型」観光へのシフト:単に景色を眺めるだけでなく、ショーを観客席から楽しみ、写真や動画として記録し、SNSで共有するところまで含めた「体験」が設計されていること。
- 地域都市からの発信力:大都市だけでなく、山西省運城市のような地域都市や観光地が、春節期間に合わせて独自のコンテンツを打ち出していること。
こうした動きは、春節が「家族で集まる日」であると同時に、「地域の魅力を発信するタイミング」へと変化していることも示しています。
日本から眺める春節イベント:私たちへのヒント
日本でも各地で冬のイルミネーションや雪まつり、夏祭りが行われますが、少子高齢化やライフスタイルの変化のなかで、若い世代をどう巻き込むかは共通の課題です。塩湖の春節イベントは、伝統行事に新しい演出やテクノロジーを重ねることで、「思わず撮りたくなる」「誰かと共有したくなる」場づくりの一例と言えます。
2025年を振り返りながら、来年の春節や日本の季節行事を思い浮かべるとき、私たちはどんな祝祭のかたちを望むのか。炎と水しぶきが夜空を彩る塩湖の風景は、アジア各地の祭りや観光の未来を考えるための、ひとつのヒントを静かに投げかけているようです。
Reference(s):
Exciting Spring Festival celebrations at N China's Yanhu Salt Lake
cgtn.com








