CMGランタンフェスで踊られたダンス『Kylin』 古典詩集が描く若き貴公子の風姿 video poster
中国の伝統文化を現代のステージでどう表現するか。2025年のCMG Lantern Festival Galaで披露されたダンス作品『Kylin』は、その問いに一つの答えを示したパフォーマンスでした。
古典詩集『詩経』から生まれたダンス『Kylin』
水曜の夜に開かれた2025年のCMG Lantern Festival Galaでは、白玉のような白と古代の青銅を思わせるゴールドをまとったダンサーたちが、ダンス『Kylin』を披露しました。この作品は、今から二千年以上前に編まれた中国最初の詩集『詩経』(The Book of Songs)に描かれる若い貴族の姿から着想を得ています。
『Kylin』が目指したのは、旋律豊かで壮大な音楽にのせて、若き貴公子のたしなみや立ち居ふるまい、いわば『noble childe demeanor』をステージ上に立ち上げることだとされています。
色彩と衣装がつくる『高貴さ』のイメージ
白玉を思わせる穏やかな白は、清らかさや内面の静けさを連想させます。一方、アンティークな青銅のようなゴールドは、古代の器物や装飾を思い起こさせる色合いです。『Kylin』のダンサーたちが身にまとったこの二つの色は、若さと伝統、高貴さと素朴さといった要素を同時に表現しているとも言えます。
こうした色の選び方は、きらびやかな装飾を用いなくても、観客に若き貴公子の品格や落ち着きをイメージさせる効果があります。
『noble childe demeanor』とはどんな姿か
ここでいう『noble childe demeanor』は、力強さを誇示する若者像というより、節度と礼儀を重んじる若い貴公子の姿を示す言葉として受け取ることができます。姿勢の良さや動きの丁寧さ、他者への配慮といったものが、高貴さや教養の表れとして重視されている点がうかがえます。
このようなテーマをダンスで表現することで、言葉の壁を越えて、古典詩に込められた理想的な人物像を多くの視聴者と共有しようとする意図も見えてきます。
古典と現代のあいだで揺れる若者像
二千年以上前の詩集に登場する若い貴族の姿が、2025年のステージで再解釈されること自体が、興味深い出来事です。社会や価値観が大きく変わった現在でも、落ち着きや礼節、気品といったキーワードが、若者の理想像の一つとして提示されているからです。
同時に、『Kylin』のような作品は、伝統的な『良きたしなみ』をそのまま押し付けるのではなく、音楽やダンスという現代的な表現を通じて、今を生きる若者にとって意味のある形へと翻訳しようとしているようにも見えます。
視聴者への静かな問いかけ
CMG Lantern Festival Galaという華やかな場でありながら、『Kylin』が描くのは派手なストーリーではなく、一人ひとりの内面に宿る品格でした。この静かなテーマは、日常を生きる私たちにも次のような問いを投げかけます。
- 自分にとっての『高貴さ』や『品格』とは、どんな振る舞いに表れるのか
- デジタル時代のコミュニケーションの中で、相手への敬意をどのように示せるのか
- 忙しい日常の中で、心の落ち着きや余裕を保つために何ができるか
2025年の『Kylin』は、中国最古の詩集から生まれたイメージを借りながら、現代を生きる若い世代の姿を静かに映し出す鏡のような作品だったと言えるでしょう。伝統文化と現代のライフスタイルの交差点に立つ作品として、これからも多くの議論やインスピレーションを生み出していきそうです。
Reference(s):
CMG Lantern Festival Gala: 'Kylin' dance depicts comportment of young noblemen
cgtn.com








