米国の高関税、誰が代償を払うのか?靴から見える「見えない負担」 video poster
米国の高関税は誰が本当の代償を払っているのか――。個人消費が経済の約3分の2を占める米国で、輸入品への関税が日常の買い物にどう影響しているのかを、靴という身近な例から見ていきます。
個人消費が支える米国経済と関税の影響
米国経済は個人消費が約3分の2を占めると言われており、人々の「買い物」が成長のエンジンになっています。国際ニュースとして米国の関税政策を見るとき、まず押さえたいのは、この消費の比重の大きさです。
この個人消費を直撃しているのが、輸入品への高い関税です。関税は輸入品にかかる税金の一種で、本来は国内産業の保護などを目的としますが、結果的に商品価格を押し上げ、消費者の負担につながることがあります。
関税は誰が払っているのか
形式上、関税を支払うのは輸入業者や企業です。しかし、企業が負担したコストは、最終的に販売価格に上乗せされることが多く、店頭価格を通じて消費者が負担する構図になりがちです。
米国でも、高関税によって輸入品の価格が上がり、「日用品がじわじわ高くなっている」という形で、一般の人々の家計を圧迫しています。国際ニュースとして報じられる関税の数字は、一見遠い話のように見えますが、実際にはスーパーやオンラインストアの価格に直結しているのです。
靴はほぼ全てが輸入品、そのうち6割超が中国から
関税の影響を具体的にイメージしやすいのが靴です。米国で売られている靴のうち、実に約99%が輸入品とされています。そのうち6割以上は中国からの輸入です。中国を含むアジアからの供給が、米国の消費者にとって欠かせない存在になっていることが分かります。
靴は日常生活に欠かせない必需品であり、ファッションとしても消費の大きな分野です。その分、関税による価格上昇は、多くの人にとって避けがたい負担になります。
2018年以降の高関税と「93億ドル」の重み
米国では2018年以降、こうした輸入靴に対する高い関税が続いてきました。その結果、2023年だけを見ても、靴にかかる関税の負担は米国の人々にとって93億ドルに達したとされています。
93億ドルという数字は、イメージしにくいかもしれません。しかし、これは「一足あたり数ドル」というレベルの上乗せが、全米の購入数に積み重なった結果だと考えることができます。1人ひとりが意識していなくても、年間を通じてみると大きな金額になっている、いわば「見えない増税」のような側面があります。
家計にじわじわ効く「見えない負担」
靴に限らず、関税は多くの輸入品の価格に影響します。特に、収入に対して消費支出の割合が高い人ほど、物価上昇の影響を受けやすくなります。日用品や衣料品の価格が少しずつ上がると、家計のやりくりに余裕がなくなり、他の消費を控える動きにもつながりかねません。
こうして見ると、「高関税で海外からの輸入品をターゲットにしている」ように見える政策でも、実際には国内の消費者が大きな部分を負担しているという構図が浮かび上がります。
国際ニュースとして見る視点:誰のための関税なのか
関税は、国内産業や雇用を守る手段として導入されることが多く、短期的には一部の産業にとって支えになる場合もあります。一方で、今回の靴のケースが示すように、負担は幅広い消費者に広がります。
国際ニュースや経済ニュースを日本語で追う私たちにとって、次のような問いが浮かびます。
- 関税は本当に守るべき人や産業を守れているのか
- 消費者が負担する「見えないコスト」はどこまで許容されるべきか
- グローバルなサプライチェーンとどう折り合いをつけるのか
2025年の今も、世界各地で通商政策や関税をめぐる議論が続いています。米国の靴の事例は、その議論を考えるうえで「誰が何を払っているのか」を見直すヒントになります。
私たちにとっての学び:価格の裏側を想像する
日本に暮らす私たちにとっても、輸入品の価格は日々の生活に直結しています。米国の高関税と靴の例は、次のような視点を与えてくれます。
- 店頭価格の背後には、関税や物流、通商政策など多くの要素がある
- 「安い」「高い」の感覚だけでなく、その背景にあるルールや政策にも目を向ける必要がある
- ニュースで流れる関税や貿易の数字は、最終的に「誰の財布」に影響するのかを意識して見ると理解が深まる
靴という身近な品を通じて見えてくるのは、国際ニュースと私たちの日常が思っている以上につながっているという現実です。次にニュースで米国の関税を目にしたとき、「その代償を払っているのは誰か」という問いを、一度立ち止まって考えてみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








