中国アニメ映画「哪吒2」が記録的ヒット グッズ需要が示すIPビジネスの現在 video poster
中国アニメ映画「哪吒2(Ne Zha 2)」の関連グッズが発売直後から記録的な売れ行きを見せています。世界興行収入が約91億元(約12億4,000万ドル超)に達する大ヒット作が、2025年のコンテンツビジネスやファン文化に何を示しているのかを整理します。
世界興行収入は約91億元 今年2月時点で大ヒットに
オンラインのチケット販売プラットフォームBeaconによると、2025年2月12日午前8時20分(北京時間)の時点で、哪吒2の世界興行収入は約91億元(約12億4,000万ドル超)に達したとされています。
1作品でここまでの興行成績を上げることは、中国本土発のアニメ作品にとっても世界市場にとっても、大きなインパクトを持つ数字です。映画館でのヒットが、その後の関連グッズや二次的なビジネス展開を後押ししている構図が見えてきます。
「前例のない」グッズ需要 コレクター向けアイテムが主役に
興行の勢いと連動するかたちで、哪吒2の関連グッズも大きな話題になっています。なかでもコレクター向けアイテムは、「前例のない」ペースで売れているとされており、オンライン上では完売や再販情報をめぐる投稿が相次いでいます。
具体的な商品ラインナップはさまざまですが、大ヒット作品の場合、キャラクターフィギュアや限定アート、アパレル、日用品など、多様なグッズが展開されるのが一般的です。どのアイテムを手に入れるかが、ファン同士の話題や自己表現の手段にもなります。
コレクター向けグッズは、生産数が限られていることが多く、発売直後に入手しないと手に入りにくくなるケースもあります。哪吒2のヒットは、こうした「限定性」とファンの熱量が重なり合うことで、グッズ市場に大きな波を生んでいると考えられます。
なぜ哪吒2のグッズはここまで売れるのか
詳細な販売データは公表されていませんが、哪吒2のグッズ需要がこれほど高まった背景には、いくつかの要因があると考えられます。
- 映画そのものの圧倒的なヒット — 世界興行収入約91億元という規模の成功は、それ自体が大きな宣伝効果になります。多くの人が映画館で作品を体験したあと、「記念」としてグッズを求める動きが自然に生まれます。
- キャラクターへの愛着とコレクター文化 — アニメ作品では、キャラクターのビジュアルや世界観が支持されると、フィギュアやポスターなどを集めるコレクター文化が形成されます。中国本土でも若い世代を中心に、この傾向は強まっています。
- オンライン販売とSNSの相乗効果 — ECサイトやライブ配信などを通じてグッズを購入するスタイルが定着したことで、「欲しい」と思った瞬間にすぐ買える環境が整いました。SNS上での口コミや開封動画も、需要をさらに押し上げています。
中国本土アニメのIPビジネスが示すもの
哪吒2の例は、中国本土発のアニメ作品が単に映画館のチケット収入だけでなく、グッズやライセンスなどを通じて多角的に収益化されていることを示しています。作品そのものがIP(知的財産)として長期的な価値を持つという発想です。
グッズの売れ行きが話題になるということは、作品にまつわる物語やキャラクターが、観客の日常生活の一部に入り込んでいるということでもあります。映画を見る体験が、購入やコレクション、オンラインでのコミュニケーションへと連鎖していく構図は、今後のエンターテインメントビジネスを考えるうえで重要なポイントです。
日本の読者にとっての意味 アジア発コンテンツ競争の現在地
アニメ大国とされる日本にとって、中国本土発のアニメ映画が世界規模でヒットし、関連グッズも「前例のない」ペースで売れているという事実は、無視できない動きです。アジア発のコンテンツ同士が、世界市場で肩を並べはじめているとも言えます。
どの国や地域でも、映画ビジネスはチケット収入だけでなく、グッズ、ゲーム、オンラインサービスなどを組み合わせた総合IP戦略が重視されるようになっています。哪吒2の成功は、そうした潮流のなかで、中国本土のスタジオや企業がどのように存在感を高めているのかを考えるきっかけになります。
2025年のいま、私たちはアジアから生まれる物語やキャラクターが、どのように世界で受け止められ、ビジネスとして展開されているのかを冷静に見ていく必要があります。哪吒2をめぐるグッズブームは、その一つの象徴的な事例と言えるでしょう。
Reference(s):
Hit animated film 'Ne Zha 2' drives massive merchandise sales
cgtn.com








