中国で最も寒いベイジ村、いまは最も熱い観光地に マイナス52度の経済効果 video poster
マイナス52度という極寒が、いま中国東北部の小さな村を「最も熱い」観光地に変えています。中国で最も寒い村とされるベイジ村(Beiji Village)では、ここ数年、厳しい寒さを逆手に取った観光が地域経済を押し上げています。
中国の「北極」と呼ばれるベイジ村
ベイジ村は、中国東北部に位置し、しばしば「中国の北極」と呼ばれる寒冷地です。ここではマイナス52度という、中国で観測された史上最低気温が記録されています。
長いあいだ、この厳しすぎる冬の寒さは、地元の人々にとって「恵み」よりも「呪い」に近い存在でした。農業や交通、日常生活のあらゆる面で不便が多い環境だと考えられてきました。
「呪い」の寒さが観光資源に変わった
しかし近年、このマイナス52度の寒さそのものが、ベイジ村のブランドとなり、観光客を引きつけています。極寒の環境を体験したい人々にとって、「中国で最も寒い村」という肩書きは大きな魅力になりました。
村は、冬の寒さを前面に押し出した観光づくりを進め、いまでは大きな観光地として知られるようになっています。気温の低さを示す表示や、雪と氷を生かした景観づくりなど、訪れた人が「ここでしかできない体験」を楽しめる工夫がなされているとみられます。
なぜ極寒ツーリズムが人気なのか
ベイジ村の事例は、「極端な自然環境そのものを楽しむ観光」という世界的な潮流とも重なっています。暑さや寒さ、砂漠や高地など、かつては敬遠されていた場所に、「一度は行ってみたい」と考える人が増えています。
- 非日常の体験を求める旅行者が増えている
- SNSで共有しやすい「話題になる旅先」が選ばれやすい
- 気候や自然への関心が高まり、「その場で体感したい」というニーズがある
マイナス数十度の世界で息を吐くと白い霧が一気に立ちのぼる様子や、凍てつく風景のなかを歩く体験は、多くの人にとって忘れがたい記憶になります。それが、遠方からでも足を運ぶ動機になっていると考えられます。
地域経済と暮らしへのインパクト
観光地としての人気が高まるにつれ、ベイジ村では、宿泊や飲食、交通、ガイドといったサービスが重要な産業になっているとみられます。かつては冬場の仕事が限られていた地域でも、新たな雇用の機会が生まれている可能性があります。
また、観光客の増加は、村の知名度を高める効果もあります。外から訪れる人が増えることで、地元の文化や暮らしが見直され、住民のあいだに「ここで生活していることへの誇り」が生まれやすくなる側面もあります。
それでも問われる、持続可能な観光のかたち
一方で、急激な観光ブームは、どの地域でも課題を生む可能性があります。環境への負荷や、生活環境の変化、季節ごとの観光客の偏りなど、丁寧に向き合うべき点は少なくありません。
ベイジ村のような小さな地域での観光振興では、次のような視点が重要になってきます。
- 自然環境を守りつつ、観光客を受け入れる仕組みづくり
- 地元住民の生活リズムや価値観を尊重した観光開発
- 冬だけでなく通年で地域を支える産業とのバランス
極端な寒さを売りにするということは、その自然環境とどう共生していくかという問いとセットです。観光による経済効果と、地域の暮らし・自然をどう両立させるかが、これからの焦点になりそうです。
「最も寒い村」が映し出す、これからの地方のヒント
中国で最も寒い村とされるベイジ村が、いま「最も熱い」観光地のひとつになっていることは、地方の可能性を示しています。従来は弱みとされてきた要素でも、視点を変えれば強みになりうることを教えてくれます。
気候、地理、文化、歴史。そのどれもが、工夫次第で個性的な観光資源になります。ベイジ村の動きは、中国だけでなく、日本を含む世界各地の地域づくりを考えるうえでも、静かに示唆を与える事例と言えそうです。
Reference(s):
China's coldest village becomes country's hottest tourist hub
cgtn.com








