中国「貿易・関税戦争に勝者なし」 米自動車関税方針をけん制 video poster
米国のドナルド・トランプ大統領が外国製自動車の輸入に新たな関税を課す意向を示したことを受け、中国外交部のグオ・ジアクン(Guo Jiakun)報道官は北京での記者会見で「貿易と関税をめぐる戦争に勝者はいない」と強調し、中国は自国の正当な権益を守るため必要な措置を取り続けると表明しました。2025年12月現在、米中の通商摩擦は世界経済と日本にも無視できない影響を与えつつあります。
中国外交部「貿易・関税戦争に勝者はいない」
グオ報道官は火曜日に北京で開かれた記者会見で、貿易や関税を巡る対立は、いずれの国にとっても真の意味での「勝者」を生まないと指摘しました。そのうえで、中国は自国の合法的な権益を断固として守るため、必要な措置を引き続き講じていく姿勢を示しました。
ここでいう「必要な措置」には、貿易制度のなかで認められた手段を通じて、自国の産業や雇用を守る対応が含まれるとみられます。中国としては、一方的な関税引き上げによって不利益を被らないよう、あらかじめ明確なメッセージを発した形です。
トランプ米大統領の自動車関税方針
グオ報道官の発言は、トランプ大統領が外国製自動車の輸入に追加の関税を課す方針を示したことを受けたものです。報道によれば、トランプ大統領は4月に新たな自動車関税を発動する意向を示したとされています。
関税とは、輸入品に対して政府が課す税金のことで、自国産業を保護する目的などから引き上げられることがあります。ただし関税が上がれば、輸入品の価格も高くなり、部品を含めたコスト増が企業や消費者の負担として跳ね返りやすい仕組みです。
中国が強調する「正当な権益」とは
今回、中国側が守ると強調した「正当な権益」には、自国の企業が公平な条件で国際市場にアクセスできる権利や、国内の雇用・産業基盤を維持することなどが含まれるとみられます。中国にとって、一方的な関税の引き上げは、こうした権益を損なう行為だという問題意識があります。
グオ報道官は具体的な対抗措置の内容には踏み込みませんでしたが、「必要な措置を取り続ける」とあらかじめ明言したことで、状況次第では関税やその他の手段で対応する可能性をにおわせたとも受け取れます。こうしたメッセージは、相手国に対し、協議による解決の重要性を示すシグナルでもあります。
世界経済と日本への波紋
米国の自動車関税と中国の対応は、両国だけでなく、世界の自動車産業やサプライチェーン(供給網)にも波紋を広げる可能性があります。日本企業にとっても、自動車や部品の生産拠点、販売戦略、投資計画を見直す要因となりかねません。
- 外国製自動車の価格上昇により、各国で消費者の負担が増える可能性
- 企業が追加関税を避けるため、生産拠点や物流ルートを再配置する動き
- 通商環境の不透明感が高まり、設備投資や雇用計画が慎重になるリスク
とくに自動車は、部品の調達から組み立て、販売まで多国間の連携で成り立つ産業です。米中間の関税が引き上げられれば、日本を含む第三国・地域の企業も、コストや需給の変化に対応せざるを得なくなります。
「勝者なき戦争」を避けるには
グローバル経済が相互依存を深めるなか、一国が関税で優位に立とうとすれば、報復措置の連鎖を招きやすく、最終的には全員が損をする「勝者なき戦争」になりがちです。今回のグオ報道官の発言は、まさにそのリスクを指摘したものと言えます。
各国が自国の権益を守ろうとするのは当然ですが、その過程でいかに対話と協調の余地を広げられるかが問われています。2025年12月の時点で、米国と中国、そして関係国・地域がどのようにルールに基づく貿易体制を維持・更新していくのか。自動車という身近な商品を通じて、その行方を注視することが、私たちにとっても重要になっています。
Reference(s):
cgtn.com







