中国アニメ『哪吒2』が観光ブーム 香港・マカオで聖地巡礼ツアー video poster
中国アニメ映画『哪吒2(Ne Zha 2)』が、香港とマカオの両特別行政区で公開館数を広げながら記録的ヒットとなり、観光業にも思わぬ追い風をもたらしています。世界興行収入はすでに130億元(約18億ドル)を突破し、その勢いが映画館の外へと広がり始めています。
香港・マカオで続くヒットとその熱気
2025年12月現在、『哪吒2』は香港とマカオあわせて60を超える映画館で上映されており、中国アニメ作品として異例の広がりを見せています。上映開始から時間がたった今も観客の関心は高く、その熱気はスクリーンの外にも波及しつつあります。
現地で取材を行ったAnne Cheng氏は、香港の人びとが映画の迫力ある世界観だけでなく、作品に登場する実在の場所にも強い関心を寄せていると伝えています。
映画がきっかけの「聖地巡礼ツアー」が人気に
『哪吒2』のヒットを受けて、旅行会社には映画ファンからの問い合わせが相次いでいます。映画に登場する実在のロケーションを訪ねたい、作品の世界観に浸れるツアーはあるのか――こうした相談が急増していると報告されています。
作品ゆかりの場所を巡る旅は「聖地巡礼」や「コンテンツツーリズム」とも呼ばれますが、今回は中国アニメがその動きを後押ししている点が特徴的です。映画館での体験をきっかけに、実際に現地を訪れて「映画の魔法」を自分の記憶として刻みたいというニーズが高まっています。
ファンが求める体験は何か
問い合わせ内容からは、ファンが次のような体験を期待している様子がうかがえます。
- 映画に登場した実在の風景や建物を訪ねて撮影する
- 作品に関連したグッズを購入したり、イベントに参加したりする
- 旅の様子をSNSで共有し、他のファンと感想を語り合う
旅行会社にとっての新たなビジネスチャンス
旅行会社各社は、この動きを新たなビジネスチャンスとして注視しています。映画に登場する場所を効率よく巡る日帰りツアーや週末プランなど、ファンの関心に合わせたコースづくりを検討する動きも出ているとされています。
従来の観光と違い、作品を通じて目的地に強い愛着を持つファンは、滞在時間を長く取り、細かいスポットまで訪れたいという傾向があります。こうした「テーマ性の高い旅」は、リピーターを生みやすい点でも注目されています。
中国アニメと観光がつながる時代
『哪吒2』をきっかけに広がる聖地巡礼ツアーの動きは、中国アニメが単なるエンターテインメントにとどまらず、人の移動や地域経済にも影響を与える存在になりつつあることを示しています。特に香港やマカオのように観光産業が重要な地域にとって、人気作品との連携は魅力的な選択肢になりえます。
一方で、急激な人気に頼るのではなく、地元の文化や日常の暮らしに配慮しながら、持続可能な形で観光を育てていけるかどうかも問われます。映画の世界観と現地のリアルな魅力をどのように結びつけるかが、今後の鍵になりそうです。
これからの注目ポイント
『哪吒2』発の観光ブームが一過性で終わるのか、それとも新しい観光スタイルとして定着していくのかは、これから見えてくる部分です。今後、注目したいポイントとしては次のような点が挙げられます。
- 旅行会社がどの程度、専用のツアー商品を本格展開していくか
- 香港・マカオの観光当局や関連業界が、作品との連携をどのように進めるか
- 他の中国アニメ作品でも同様の「聖地巡礼」需要が生まれるか
映画をきっかけに訪れた場所が、その人の「お気に入りの街」へと変わっていく。『哪吒2』を巡る動きは、そんな新しい旅のかたちを象徴しているのかもしれません。
Reference(s):
Chinese animated blockbuster 'Ne Zha 2' triggers tourism wave
cgtn.com








