ウクライナ・ゼレンスキー大統領「和平かNATO加盟なら即時退任も」 トランプ氏は「独裁者」批判 video poster
2025年12月上旬、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領が「和平が実現するか、NATO(北大西洋条約機構)加盟が保証されるなら、直ちに退任する用意がある」との趣旨の発言を行いました。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、戒厳令下で選挙を実施していないことを理由に、ゼレンスキー氏を「独裁者」と批判しており、ウクライナの民主主義と戦時下のリーダーのあり方が大きな論点になっています。
- ゼレンスキー大統領は、和平かNATO加盟が保証されるなら「即時退任」に応じる姿勢を示した
- トランプ大統領は、戒厳令下で選挙を行っていないゼレンスキー氏を「独裁者」と呼び批判
- 一部報道では、ウクライナが和平合意前に選挙実施を求められる可能性も指摘されている
ゼレンスキー大統領「即時退任もいとわない」発言の意味
今回の発言は、ゼレンスキー大統領が自らの地位よりも、戦争の終結や長期的な安全保障を優先する姿勢を打ち出したものと受け止められています。現職の国家元首が「必要であればすぐに辞任する」と公言するのは異例であり、ウクライナ国内外に強いインパクトを与えています。
和平かNATO加盟、二つの「保証」
ゼレンスキー大統領が条件として挙げたのは、大きく二つです。
- ウクライナに持続的な和平がもたらされること
- NATOへの加盟が保証され、長期的な安全保障が確立されること
NATOは集団防衛を掲げる軍事同盟で、加盟国の安全保障は他の加盟国と結びついています。ゼレンスキー大統領は、自らの進退をこの二つの「保証」と引き換えにしてもよいと示すことで、和平交渉や安全保障をめぐる議論を前に進めたい考えだとみられます。
トランプ大統領は「独裁者」と批判
一方、アメリカのトランプ大統領は、ウクライナで戒厳令が続く中、選挙が実施されていないことを強く批判し、ゼレンスキー氏を「独裁者」と呼びました。戦時下で通常の選挙を行うべきかどうかは、多くの国で議論が分かれる難しいテーマです。
戒厳令下の選挙をどう見るか
戒厳令は、戦争や深刻な安全保障上の危機に際して、政府が特別な権限を持つ非常措置です。安全確保や行政の継続という観点から、選挙を延期・中止する判断が取られることもありますが、その一方で、民主的な正統性の空白を生みかねないという懸念もあります。
今回、トランプ大統領があえて「独裁者」という強い言葉を使ったことで、ウクライナの選挙のあり方は、アメリカを含む国際社会にとっても政治的な争点になりつつあります。
和平合意前に選挙を求める声も
報道によりますと、ウクライナに対して、和平合意の前提として選挙の実施を求める動きが出る可能性も取り沙汰されています。戦時下で選挙を行うかどうかは、単に国内問題にとどまらず、和平交渉の条件や、国際的な支援の在り方とも結びつきかねません。
もし和平よりも先に選挙の実施が優先されれば、次のような影響が考えられます。
- 治安が十分に回復しない中での投票となり、有権者の安全確保が課題になる
- 前線や避難先にいる人々の投票権をどう保障するかが大きな論点となる
- 選挙結果そのものが、和平交渉の力学を変える要因になる可能性がある
戦時下のリーダーと民主主義をどう考えるか
ゼレンスキー大統領の「即時退任も辞さない」というメッセージと、トランプ大統領の「独裁者」批判は、戦時下におけるリーダーの役割と民主主義のバランスを改めて問いかけています。
私たちが考えたいポイントは、少なくとも次の三つです。
- リーダーが自らの権力を「交渉材料」にするとき、それは民主主義を弱めるのか、それとも強めるのか
- 安全保障上の非常事態において、どこまで選挙を延期・制限することが許されるのか
- 和平や安全保障の条件として「選挙」を求めることは、外部からの過度な介入にならないか
2025年12月現在、ウクライナをめぐる情勢は依然として流動的です。ゼレンスキー大統領の発言は、単なる国内政治の問題を超え、戦時下の民主主義のあり方や、国際社会がどのように和平と正統性を両立させるべきかを考える材料を提供しています。今後、ウクライナ国内の議論だけでなく、アメリカを含む各国がどのような条件やメッセージを発するのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








