中国アニメ「哪吒2」グッズが大ヒット 2週間で4億人民元超の背景 video poster
中国アニメ映画のグッズ市場が、いま国際ニュースとしても注目されています。なかでも長編アニメ映画『哪吒2(Ne Zha 2)』は、公開からわずか2週間で関連グッズの売上が4億人民元(約5,490万ドル)を超え、「スクリーンから棚へ」と広がるビジネスモデルを象徴する存在になっています。
同時に、ほかの中国アニメ映画でもグッズ販売が好調で、アニメが一つの強い文化的な原動力として育ちつつあることがうかがえます。本記事では、国際ニュースとしての中国アニメの動きを整理しつつ、「なぜファンはここまでグッズを買うのか」「アニメスタジオはどう収益化しているのか」をやさしくひもときます。
哪吒2、2週間でグッズ売上4億人民元超
中国のアニメ映画『哪吒2』は、映画そのものの興行成績だけでなく、キャラクターグッズの販売でも大きな成果を上げています。伝えられている数字によれば、公開から2週間でグッズ売上が4億人民元(約5,490万ドル)に達し、数千万ドル規模のブームとなっています。
これは、グッズが単なる「おまけ」ではなく、それ自体が大きな収益源として機能していることを示しています。映画館でのチケット収入に加えて、フィギュア、ぬいぐるみ、日用品など、多様な商品がファンの生活空間に入り込むことで、作品の世界観がスクリーンの外でも生き続けています。
スクリーンから棚へ:中国アニメは「文化産業」へ
『哪吒2』だけでなく、他の中国アニメ映画でもグッズ販売の好調が伝えられており、アニメ産業全体が「文化」と「ビジネス」を両立させる段階に入っていることが見えてきます。キャラクターや物語の人気が、映画の枠を超えて生活雑貨やファッション、コレクションアイテムへと広がることで、アニメは長期的に楽しめる文化的な資産になりつつあります。
こうした動きは、単に国内市場のヒットにとどまらず、「どのようにして物語が経済価値を生むのか」という観点からも、国際ニュースとして注目されるテーマになっています。
なぜファンはグッズを欲しがるのか
『哪吒2』をはじめとする中国アニメ作品のグッズが、なぜここまで支持されているのでしょうか。背景には、いくつかのファン心理があると考えられます。
- 物語体験を「手元に残したい」欲求:映画館で感じた感動や興奮を、フィギュアやキーホルダーなど、形のあるものとして持ち帰りたいという思いがあります。
- キャラクターへの愛着と自己表現:お気に入りのキャラクターの商品を身につけたり飾ったりすることは、「自分はこの作品が好きだ」というささやかな自己表現にもなります。
- コレクションとコミュニティ:シリーズものや限定品を集めること自体の楽しさに加え、SNSでコレクションを共有したり、同じ作品が好きな人どうしで交流したりするきっかけにもなります。
こうした心理が重なり合うことで、ファンは「見て終わり」ではなく、「グッズをそろえて作品世界に浸り続ける」という楽しみ方を選ぶようになります。その結果として、短期間で数億人民元規模の売上が生まれていると考えられます。
アニメの「魔法」をリアルな利益に変える戦略
『哪吒2』のようなヒット作の背後には、アニメスタジオや関連企業の戦略的な取り組みがあります。中国の英語ニュースチャンネルであるCGTNの動画も、アニメの世界観をスクリーンの外に広げるビジネス戦略をテーマに取り上げています。一般的に、アニメとグッズのビジネスでは次のようなポイントが重視されます。
1. 企画段階からグッズ展開を織り込む
近年のアニメ制作では、単に作品を完成させるだけでなく、「どのキャラクターがグッズになりやすいか」「どのシーンが印象的なビジュアルとして商品化できるか」といった視点が、早い段階から意識されることが多くなっています。
キャラクターデザインや色使い、象徴的なアイテムなどを工夫することで、映画公開とほぼ同時に多様な商品を展開し、作品への関心が最も高いタイミングで市場に投入することができます。
2. オンラインとオフラインをつなぐ販売チャネル
グッズの販売チャネルも重要です。映画館での販売に加えて、オンラインショップや大型ECプラットフォーム、期間限定のポップアップストアなど、ファンがアクセスしやすい場所で商品を展開することで、機会損失を減らすことができます。
オンライン上で話題になった商品が、オフラインの店舗へと人を呼び込むこともあれば、その逆に、映画館で実物を手に取った経験がオンラインでの追加購入につながることもあります。
3. コレクション性と希少性を設計する
「どうしても今買いたい」と思わせる工夫として、コレクション性や希少性の設計もよく用いられます。キャラクターごとに違うデザインを用意したり、数量限定版や期間限定のアイテムを販売したりすることで、ファンの収集意欲を刺激します。
特に、どのキャラクターが出るか分からない「ブラインドボックス」のような商品形式は、コレクション欲と偶然性の楽しさを同時に満たす方法として、さまざまなキャラクターグッズで採用されています。
国際ニュースとして見る中国アニメのいま
『哪吒2』のグッズ売上が短期間で4億人民元を超えたという事実は、中国アニメ産業が「映画ビジネス」から「総合的なキャラクター・ビジネス」へと進化していることを象徴しています。これは、中国国内の市場動向であると同時に、アジアや世界のエンターテインメント産業にも影響を与えうる動きです。
日本の読者にとっても、このニュースは「中国アニメがどれだけ人気か」という話にとどまりません。物語やキャラクターがどのように経済価値を生み、ファンの生活や消費行動を変えていくのかを考えるヒントになります。
2025年現在、アジア発のコンテンツが世界で存在感を増すなかで、『哪吒2』のような事例は、ビジネスモデルやファンとの向き合い方を考えるうえで、重要なケーススタディと言えるでしょう。スクリーンから日常の棚へと広がっていくアニメの力を、今後も追いかけていきたいところです。
Reference(s):
From screen to shelf: How animation sparked a million-dollar craze
cgtn.com







