深センでヒューマノイド警察ロボットが巡回 中国で進む実用化 video poster
中国で開発が進むヒューマノイドロボットが、いよいよ現実の街のなかで働き始めています。広東省深セン市では、人型の「警察ロボット」が警察官と並んで市街地を巡回し、情報収集やパトロールなどを担っています。
深センの街を巡回する「警察ロボット」
かつてはSF映画のワンシーンのように思われていた光景が、2025年現在、中国南部の都市・深センで日常の一部になりつつあります。ヒューマノイド型の警察ロボットが、人間の警察官と肩を並べて街を歩き、市民の安全を見守っているのです。
こうした警察ロボットは、いまのところ犯罪対応の主役というよりも、次のような基本的な業務をサポートする役割を担っているとされています。
- 周囲の状況や人の流れなど、現場での基本的な情報収集
- 決められたルートを歩きながらの巡回パトロール
- 案内や問い合わせ対応など、身近な警察サービスの一部
ロボットがこれらの業務をこなすことで、人間の警察官はより高度な判断や対応が必要な場面に集中しやすくなると期待されています。
急速に進化する中国のヒューマノイドロボット
中国のヒューマノイドロボットは、ここ数年で急速に開発が進んでいます。深センの警察ロボットのように、研究室の外に出て「実際の社会の現場」で使われ始めていることは、その象徴と言えます。
中国の消費者や企業のあいだでロボットへの関心が高まり、投資や導入の動きも広がるなか、ヒューマノイドロボットは今後、社会のさまざまな場面でより重要な役割を果たしていくと見込まれています。
人型だからこそできること
ロボットをあえて「人型」にすることには、いくつかのねらいがあります。車輪で動くロボットや無人の監視カメラではなく、人と似た形のヒューマノイドが選ばれているのは、次のような理由があるからです。
- 人と同じように歩けるため、階段や段差、狭い通路など既存の都市空間をそのまま利用できる
- 人間の目線に近い高さで周囲を認識でき、市民とのコミュニケーションもしやすい
- 人間の姿に近いことで、「何をしているのか」が直感的に理解しやすく、安心感につながりやすい
もちろん、あくまでロボットである以上、表情やふるまいの設計次第で印象は大きく変わります。街の安全を守る存在として受け入れられるには、見た目や動きの「ちょうどよい距離感」を探ることも重要になりそうです。
ロボットと人間の新しい役割分担
深センの警察ロボットのように、ヒューマノイドロボットが現場で働き始めると、「ロボットと人間の役割分担」をどう設計するかが大きなテーマになります。
- 単純で繰り返しの多いパトロールや情報収集はロボットが担当する
- 予期せぬトラブル対応や、複雑な判断・交渉が必要な場面は人間の警察官が担う
- 市民がロボットにどこまで何を任せたいのか、合意をつくりながら運用する
こうしたバランスが取れれば、ロボットは人間の仕事を奪う存在ではなく、「安全と効率を高めるためのパートナー」として位置づけられていく可能性があります。
広がる実用化への期待と、私たちへの問いかけ
中国でのヒューマノイドロボット実用化の動きは、警察の現場にとどまりません。基本的な情報収集や巡回、サービス提供といった役割を軸に、さまざまな公共空間や民間のサービス現場での活用が将来的に広がっていくことが予想されます。
一方で、ロボットが人と同じように街を歩く社会には、プライバシーの扱い、データの管理、安全性のルール作りなど、多くの課題も伴います。どの国や地域でも、技術の利便性と人びとの安心をどう両立させるかが、これからの重要なテーマになっていきます。
深センの「警察ロボット」は、ヒューマノイドロボットが現実の社会に入り始めたことを象徴する存在です。私たちはどこまでロボットに仕事を任せたいのか、ロボットと共に暮らす街をどうデザインしたいのか――そんな問いを投げかけるニュースでもあります。
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Reference(s):
cgtn.com








