中国立法会議の主役はAIインフラ 産業と医療はどう変わるのか video poster
2025年の中国の最高立法会議を前に、人工知能(AI)とその基盤となるコンピューティングパワー、インフラ整備が大きな注目を集めています。全国人民代表大会(全人代)の代表であり、中国の通信企業ZTEの上級副総裁を務めるMiao Wei氏は、より強力なAIインフラが産業と医療の生産性を高める鍵になると見ています。
来週開幕の中国立法会議、AIが議題の中心に
中国の最高立法機関である全人代などの主要な会議が来週開かれる予定です。今回の会期では、人工知能、コンピューティングパワー、その裏側を支えるインフラがデジタル経済の中核テーマとして取り上げられる見通しです。
すでに多くの企業が、大規模なAIモデル(大量のデータを学習した高度なAI)を業務に取り入れ、生産性向上や業務の効率化を進めています。Miao氏は、こうした動きを後押しするためにも、計算能力とネットワーク環境を含むAIインフラの強化を国家レベルの戦略課題として位置づける必要があると指摘します。
AIインフラとは何か——見えない土台が競争力を左右
AIインフラとは、AIを動かすための土台となる技術や設備の総称です。具体的には、次のような要素が含まれます。
- 高性能なコンピューティングパワー(半導体やサーバーなど)
- データセンターやクラウドなどの計算基盤
- 高速で安定した通信ネットワーク
- AIモデルを運用・管理するためのソフトウェアやツール群
これらが十分に整っていなければ、大規模なAIモデルを安定して動かすことは難しくなります。逆にいえば、AIインフラを整えることは、デジタル経済全体の競争力を底上げすることにつながります。
産業と医療で広がるAI活用の可能性
今回の議論の焦点の一つが、強化されたAIインフラをどのように産業と医療に生かすかという点です。
産業分野では、製造や物流などでの工程最適化、省エネルギー、設備の予知保全など、AIの活用シーンが広がりつつあります。大規模AIモデルを活用することで、より複雑なデータ分析や高度な自動化が可能になり、生産性向上が期待されます。
医療分野では、画像診断のサポートや、膨大な医療データを活用した治療方針の検討支援などにAIが用いられつつあります。高性能なコンピューティングパワーがあれば、より精度の高いモデルを医療現場で使えるようになり、医師の判断を支えるツールとしての役割が大きくなっていきます。
Miao Wei氏が強調する戦略的優先事項と今後の論点
Miao氏は、急速に拡大する中国のデジタル経済において、AIインフラとコンピューティングパワーの強化が戦略的な優先事項になっていると見ています。AIを産業と医療に本格的に組み込んでいくには、企業だけでなく、制度やインフラ面での後押しが欠かせません。
今後の会議では、次のような点が論点として浮かび上がる可能性があります。
- 全国的なAIインフラ網をどのような優先順位で整備していくか
- 産業と医療でのAI活用を支えるための標準やルールづくり
- データの利活用を進めつつ、個人情報やプライバシーをどう守るか
- エネルギー効率や環境負荷に配慮した持続可能なデジタルインフラの構築
私たちにとっての意味——インフラとしてのAIをどう捉えるか
日本を含む各国・地域にとっても、中国でのAIインフラ戦略の動きは無関係ではありません。AIを支えるインフラをどう位置づけ、どこまで公共の投資やルールで支えていくのかという問いは、共通のテーマになりつつあります。
今回の中国の立法会議で、AIとコンピューティングパワーがどのように議論されるのかは、今後の国際的なデジタル競争と協調の方向性を考えるうえでも重要です。産業や医療の現場でAIが当たり前のインフラとなる未来を見据えながら、その土台づくりをどう進めるべきか——新たな一週間の議論が始まろうとしています。
Reference(s):
NPC Deputy: Stronger AI infrastructure to boost industry, healthcare
cgtn.com








