中国・四川の若き全人代代表 16年続ける高齢者ケアの現場から video poster
中国四川省のアバ・チベット族チャン族自治州バーカム市で、地元の高齢者を支え続けている一人の女性がいます。ガシ・ワンモさんは、2009年から地域で高齢者の世話を続けてきた若い世代の全国人民代表大会(全人代)代表で、2025年は代表就任から3年目の年です。今、彼女は新たな提案を用意し、バーカム市の高齢者ケア産業をさらに充実させようとしています。
四川・バーカム市で16年続ける「寄り添うケア」
ガシ・ワンモさんが活動するバーカム市は、アバ・チベット族チャン族自治州にある地域で、名前の通りチベット族やチャン族をはじめとする多様な人々が暮らしています。その地で彼女は2009年から、地元の高齢者を支える活動を続けてきました。
16年という時間は、単なるボランティア活動の域を超え、地域に根を張った「暮らしのインフラ」に近い重みを持ちます。日々の見守りや生活の手助け、悩みを聞くことなど、具体的な形はさまざまですが、高齢者の日常に寄り添う姿勢が一貫していることがうかがえます。
若い全人代代表として、現場の声を届ける
ガシ・ワンモさんは、全国人民代表大会の若い代表の一人でもあります。今年で3年目となる彼女の役割は、高齢者ケアの現場で見てきた課題や気づきを、国家レベルの議論につなげていくことです。
全国人民代表大会は、中国の最高国家権力機関であり立法機関です。その場に、高齢者ケアの現場をよく知る若い世代が参加しているという事実は、地域の経験や小さな声が、大きな政策の方向性に反映される可能性を広げるものでもあります。
「高齢者ケア産業」をどう高めるか
今年、ガシ・ワンモさんは、地元の高齢者ケア産業をさらに発展させるための新たな提案づくりに取り組んでいます。バーカム市で、国際メディアであるCGTNの鄭松武(Zheng Songwu)記者が彼女に会い、その準備の様子を取材しました。
高齢者ケア産業の強化といっても、その内容は多岐にわたります。例えば、ケアに携わる人材をどのように育て、確保していくのか。サービスの質をどう上げていくのか。地域の文化や生活様式を尊重しながら、高齢者が安心して暮らせる環境をどう整えるのか。こうした視点が、提案を考える上で重要な柱になっているとみられます。
2009年から続く現場での経験を持つ彼女だからこそ、制度の「すき間」に落ちやすいニーズや、数字には表れにくい困りごとを、より具体的に伝えられる可能性があります。
ローカルな物語が示す、高齢社会へのヒント
一地方都市の高齢者ケアに関するニュースは、一見するとローカルな話題に見えます。しかし、高齢化への対応は、多くの国と地域に共通する大きなテーマです。
ガシ・ワンモさんの歩みは、次のような問いを投げかけています。
- 長く現場に関わってきた人の声を、政策づくりにどう生かせるのか
- 地方や少数民族が多く暮らす地域の現実を、どうやって国全体の議論につなげるのか
- 高齢者ケアを「負担」ではなく「地域の力」に変えていくには何が必要か
これらは、中国西部のバーカム市に限らず、高齢化が進む国際社会に共通する課題でもあります。日本の読者にとっても、地域に根ざした取り組みから学べる点は少なくありません。
読み手に残る、静かなインパクト
2009年から続く地道な活動、2025年で3年目となる全人代代表としての役割、そして新たな高齢者ケアの提案づくり。ガシ・ワンモさんの物語は、華やかなスローガンではなく、「続けること」「現場を見続けること」の重みを静かに伝えています。
遠く離れた四川省の一都市の話であっても、私たちの日常の会話や、地域のこれからを考えるきっかけになり得ます。ニュースを読みながら、自分の身近な高齢者ケアやコミュニティの姿を重ねてみると、新しい視点が見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Young NPC deputy dedicated to elderly care in SW China's Sichuan
cgtn.com








