中国を映画とゲームで旅する外国人Vloggerたち 絶景と物語を追う新しい旅行スタイル video poster
中国の映画やゲームが世界の視聴者を魅了するなか、その物語世界を手がかりに中国各地を旅する外国人Vlogger(動画配信者)が増えています。四川の絶景を「哪吒(ネザ)」の足跡になぞらえて歩き、映画「英雄(Hero)」ゆかりの地として敦煌の不思議に迫る――そんな動画が、いま国際ニュースとしても注目されています。
映画とゲームが「ガイドブック」になる
これまでの中国旅行といえば、ガイドブックに載った定番の観光地をめぐるスタイルが主流でした。しかし最近は、中国の映画やゲームの世界観を出発点に、「物語の背景となりそうな場所」を自分の足で探す旅が広がっています。
外国人Vloggerたちは、映像作品のワンシーンを思い出しながら、現地の風景を丁寧に撮影し、ストーリーと現実の景色を重ね合わせて紹介しています。視聴者からは「まるで映画の中を歩いているみたい」「スケールが大きすぎて、まさにマインドブロウイング(度肝を抜かれる)」といった反応も寄せられています。
「哪吒」の足跡を追って歩く四川の景色
中国で人気のアニメ映画「哪吒(Ne Zha)」は、ダイナミックな戦闘シーンや幻想的な景観が印象的な作品です。外国人Vloggerの中には、その世界観にインスピレーションを受けて四川を訪れ、山々や渓谷、湖、古い町並みなど、作品を連想させる風景を動画で紹介する人たちがいます。
動画では、
- 雲海に包まれた山の稜線
- 岩肌が露出した険しい谷
- 霧のたちこめる湖畔や寺院
といった景色が、「哪吒」の世界と自然につながるかたちで語られます。これにより、視聴者は単なる絶景としてではなく、「物語のひとコマ」として中国本土の自然を疑似体験できます。
映画「英雄(Hero)」から敦煌のミステリアスな魅力へ
中国映画「英雄(Hero)」は、壮大な映像美と歴史的な世界観で知られています。この作品に魅了された外国人Vloggerの一部は、敦煌を旅の目的地に選び、砂漠の風景や歴史的な遺産を通じて「中国映画の背景にある世界」を伝えようとしています。
彼らの動画では、
- 砂漠の地平線まで続く金色の砂丘
- 長い歴史を感じさせる街並み
- 古くから受け継がれてきた文化や信仰
といった要素が丁寧に切り取られ、「映画の世界を支えるリアルな土地の重み」として紹介されています。「ただの観光ではなく、物語の起点になった場所を自分の目で確かめたい」というコメントも目立ちます。
外国人Vloggerが伝える「体験としての中国」
こうしたVlog(動画ブログ)の特徴は、「見る中国」から「体験する中国」への視点の変化です。映画やゲームで得たイメージを、そのまま現地で確かめるプロセス自体がコンテンツになっています。
彼らの動画には、次のようなポイントが共通して見られます。
- 物語との対話:特定のシーンを引用しながら、「この場所に立つと、あの名場面を思い出す」といった形で解説する。
- 背景へのまなざし:撮影の合間に、現地の人々の暮らしや歴史への簡単な説明を添え、ストーリーの裏側にある文化にも触れる。
- 視聴者参加型:コメント欄で「次はどの作品の舞台を訪れてほしい?」と問いかけ、視聴者と一緒に旅のテーマを決めていく。
こうしたスタイルは、中国を知らない視聴者にとっても、映画やゲームを入り口にしながら文化や地域への理解を深めるきっかけになっています。
なぜ今、このスタイルが注目されるのか
外国人Vloggerによる「映画・ゲーム×中国旅行」が注目される背景には、いくつかの要因があります。
- 中国コンテンツの世界的な広がり:中国の映画やゲームが国境を越えて楽しまれるようになり、作品のファンが「舞台となる場所を自分の目で見たい」と考えるようになっている。
- 短尺動画プラットフォームの普及:スマートフォンを使い、短い動画で印象的な風景や体験をすばやく共有できる環境が整った。
- ストーリー重視の旅への関心:単なる観光スポット巡りではなく、自分なりのテーマや物語を持った旅を選ぶ若い世代が増えている。
こうした流れの中で、中国本土の各地をめぐるVlogは、「映像作品を通じて中国を知る」という新しい国際的なコミュニケーションの形にもなりつつあります。
視聴者はどう楽しめる? 3つのポイント
これからこうしたVlogを視聴するとき、次のような点を意識すると、より深く楽しむことができます。
- 元の作品を思い出しながら見る:映画やゲームのどの場面と結びついているのかを意識すると、動画の構成やカメラワークの意図が見えやすくなります。
- 「同じ場所」を探すより、「似た世界観」に注目する:ロケ地そのものではなく、景色の色合い、光の入り方、音など、世界観の共通点に目を向けると発見が増えます。
- コメント欄で自分の視点も共有する:感じたことや疑問、別の作品とのつながりなどを書き込むことで、世界中の視聴者との会話が生まれます。
ただ眺めるだけでなく、自分なりの視点を持って見ることで、Vlogはニュースや解説記事に近い情報源にもなりえます。
「読みやすいのに考えさせられる」国際ニュースとして
外国人Vloggerが映画やゲームを手がかりに中国本土を旅する姿は、観光トレンドのニュースであると同時に、文化をどう伝え合うかという問いも投げかけています。
一つの作品が国境を越えて愛され、その世界観が現地への関心につながる。さらに、その旅の記録が動画として配信され、また別の国や地域の人たちの好奇心を刺激する――。こうした循環は、2025年のいま、デジタル時代ならではの国際的なつながり方の一つといえます。
ニュースサイトの読者として、そしてSNSユーザーとして、私たちはどのような「物語の視点」で世界を見たいのか。外国人Vloggerの中国旅は、その問いを静かに投げかけているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








