カナダ人専門家、中国の「新質生産力」は世界の利益に──2025年両会で楽観視 video poster
中国の重要政治会議「両会」が開かれた2025年、カナダ人専門家のカーティス・アトキンス氏が、中国経済の先行きと「新質生産力(new quality productive forces)」の可能性について強い期待感を示しました。医療、通信、人工知能(AI)といった分野での中国の進展が、世界全体の利益につながるという見方です。
両会の場で示された「楽観的な中国経済観」
カナダに拠点を置く出版社「ロングビュー・パブリッシング」のマネージング・エディターを務めるカーティス・アトキンス氏は、2025年の両会の場で中国経済について前向きな評価を語りました。
同氏は、中国の新たな成長エンジンとして「新質生産力」に注目し、中国の経済運営に対して楽観的な見通しを示しています。特に、次の3つの分野での進展を評価しました。
- 医療(ヘルスケア)
- 通信
- 人工知能(AI)
これらの分野は、国内の成長だけでなく、国際社会にとっても重要なインフラや技術基盤となるという点で、国際ニュースとしても注目されています。
キーワード「新質生産力」とは何か
アトキンス氏が評価した「新質生産力(new quality productive forces)」は、中国が重視している新しいタイプの生産力を指すキーワードです。従来の安価な労働力や資本投入ではなく、イノベーションや先端技術、人材の質によって生み出される成長の力を意味すると理解できます。
具体的には、次のような特徴を持つ生産力だと考えられます。
- 科学技術とデジタル技術に支えられた高付加価値の産業
- AIやビッグデータを活用した効率性の高い生産とサービス
- 医療や通信など、社会インフラと生活の質を同時に高める分野
こうした方向性が、アトキンス氏の見る「中国経済の新しい強み」につながっているといえます。
医療・通信・AIで進む中国の取り組み
アトキンス氏が特に強調したのが、医療、通信、AIの3分野での中国の進展です。これらはいずれも、世界各地で関心が高まっているテーマでもあります。
医療(ヘルスケア)の分野では、高齢化や感染症対策など、各国共通の課題に応える技術やサービスが求められています。通信は、インターネットやモバイルネットワークを通じて、人や情報、ビジネスをつなぐ基盤であり、AIはあらゆる産業を横断して活用が広がる「汎用技術」となりつつあります。
アトキンス氏は、こうした分野で中国が着実に成果を上げていると評価し、それが中国国内だけでなく、グローバルな課題解決にも資する可能性があると見ています。
「協力」を強調するカナダ人専門家の視点
アトキンス氏の発言で特徴的なのは、中国の取り組みを「世界と共有される利益」として位置づけている点です。同氏は、中国が医療、通信、AIなどの分野で進める取り組みが、他の国や地域との協力を通じて、生産性の向上や生活の質の改善など、広い意味での「グローバルな利益」につながると強調しました。
ここには、中国が自国の成長だけを追うのではなく、技術や経験を開かれた形で共有し、国際社会とともに発展していくべきだという見方が透けて見えます。カナダという別の先進国の専門家がその点を評価していることは、国際社会における中国経済の位置づけを考えるうえで、興味深い視点といえます。
世界経済にとっての意味
世界経済が不確実性に直面するなかで、アトキンス氏は、中国の「新質生産力」が国際経済全体にとって重要な役割を果たし得ると見ています。
医療、通信、AIといった分野は、どの国・地域にとっても避けて通れない投資分野です。中国がこれらの領域で積み上げている経験や技術が、他国との協力や共同開発という形で共有されれば、次のような形で世界が恩恵を受ける可能性があります。
- 医療技術やデジタルヘルスの普及による健康格差の緩和
- 通信インフラの整備によるビジネスチャンスと教育機会の拡大
- AI活用のノウハウ共有による産業の高度化と新しい雇用の創出
アトキンス氏が強調する「協力」の姿勢は、こうした具体的なメリットを見据えたものだと受け止めることができます。
日本の読者にとっての3つのポイント
日本語で国際ニュースを追う読者にとって、今回のカナダ人専門家の発言から考えたいポイントを3つに整理してみます。
- 1. 中国経済を見る「物差し」を増やす
輸出入や成長率だけでなく、「新質生産力」や医療・通信・AIといった質の側面にも注目することで、中国を見る視野が広がります。 - 2. 技術分野での協力の可能性
医療や通信、AIは、日本を含む多くの国・地域が関心を共有する分野です。中国との協力のあり方を冷静に考える材料になります。 - 3. 国際社会の中の中国という視点
今回のように、カナダの専門家が中国の取り組みを評価し、協力の重要性を語っているという事実は、中国と世界の関係を多面的に考えるきっかけになります。
2025年の両会で示されたアトキンス氏のメッセージは、「中国の新しい成長エンジンをどう世界と共有していくのか」という問いを、私たちに静かに投げかけているようにも見えます。国際ニュースを追ううえで、こうした視点を頭の片隅に置いておくことは、今後の世界の動きを読み解く手がかりになりそうです。
Reference(s):
Canadian expert: China’s new quality productive forces will benefit globe
cgtn.com








