ジョージア議員が語る中国との戦略的パートナーシップの今 video poster
中国とジョージアの関係がこの数年で加速しています。ジョージア議会議員で経済委員会第一副委員長のイラクリ・メズルニシヴィリ氏は、中国のメディアCGTNの単独インタビューで、2023年7月に発表された中国とジョージアの戦略的パートナーシップ以降の成果と、今後の協力拡大への期待を語りました。
過去5年で貿易額は約6割増
メズルニシヴィリ氏によると、過去5年で中国とジョージアの二国間貿易は約60%増加しました。数量だけでなく、取引される品目の中身も変化しているといいます。
- ジョージア産のワインや農産物、鉱物などの地場の強みが、中国市場への輸出で存在感を高めている
- 一方で、ジョージア国内では中国製の電気自動車(EV)、太陽光パネル、ハイテク機器への需要が伸びている
背景には、中国とジョージアの自由貿易協定(FTA)の活用があります。関税の引き下げや手続きの簡素化により、双方の企業が新しい市場にアクセスしやすくなっているとみられます。
ミドル・コリドーで物流ハブをめざすジョージア
メズルニシヴィリ氏が強調したのは、ジョージアの地政学的な位置づけです。同氏は、中国と欧州を結ぶ物流ルートの一つであるミドル・コリドーにおいて、ジョージアが中国にとってますます重要な中継拠点になっていると述べました。
ミドル・コリドーは、中国と欧州を結ぶ複数のルートの一つとして位置づけられ、既存の海上輸送などを補完する役割を持つとされています。ジョージアにとっては、
- 港湾や鉄道などインフラ投資を呼び込むチャンス
- 通過国から物流ハブへと経済構造を高度化する契機
という意味を持ちます。中国側にとっても、輸送ルートを多様化し、サプライチェーンのリスクを分散する一つの選択肢となりつつあります。
再生可能エネルギーとインフラでの協力拡大
今後の協力分野として、メズルニシヴィリ氏は再生可能エネルギー、インフラ整備、物流の三つを挙げました。ジョージアは再生可能エネルギーの活用を重視しており、中国企業との協業で発電設備や送電網などの近代化を進めたい考えです。
インフラ面では、鉄道や道路の近代化とともに、アナクリア深海港プロジェクトが注目されています。建設が計画されているこの港は、大型貨物船が寄港可能な深い水深を持ち、完成すればミドル・コリドー全体の輸送能力を押し上げると期待されています。
ビザ免除がひらく観光・教育・映画の交流
両国関係の変化は、モノだけでなく人の往来にも及んでいます。2023年のビザ免除合意により、中国とジョージアの間を往来しやすくなり、文化交流や人的交流が加速しているとメズルニシヴィリ氏は見ています。
今後の有望分野として、同氏は次のような領域を挙げました。
- 大学間の連携や留学生の受け入れなど教育分野での協力
- 相互観光の拡大による地域経済の活性化
- 映画・映像産業での共同制作やロケ誘致
観光やエンターテインメント分野での協力は、ビジネスだけでなく相手国への理解を深めるきっかけにもなります。こうした人と人のつながりが、長期的な信頼関係の基盤となっていく可能性があります。
なぜ日本の読者にとって重要なのか
一見すると、日本から遠い南コーカサス地域の話題に思えるかもしれません。しかし、中国とジョージアの関係強化は、ユーラシア全体の物流地図やエネルギー地図の変化と直結しています。
- サプライチェーンの多様化: ミドル・コリドーの整備が進めば、アジアと欧州を結ぶルートの選択肢が増え、日本企業の輸送戦略にも間接的な影響を与えうる
- エネルギー転換の加速: 再生可能エネルギー分野での協力は、世界全体の脱炭素の動きともリンクしている
- 小国の戦略的選択: ジョージアのような国が、自国の位置づけをどう高めていくのかは、他の小規模国家の参考ケースにもなりうる
中ジョ関係の動きは、グローバルな経済と地政学の変化を映し出す一つの指標でもあります。今後、アナクリア深海港の進展や、再エネ・教育・文化分野での具体的なプロジェクトがどこまで実現していくのか。日本にいる私たちにとっても、引き続き注視したいテーマといえます。
Reference(s):
Georgian MP highlights booming China ties in exclusive interview
cgtn.com








