中国・秦山原子力発電基地が建設40年 中国の核エネルギーを象徴 video poster
中国東部の浙江省・秦山原子力発電基地が、建設開始から40年という節目を迎えます。中国で初めて自前設計で建設された原子力発電所は、いまや核エネルギー大国への歩みを象徴する存在になっています。
今週木曜日、建設開始から40年の節目
2025年の今週木曜日、中国東部の浙江省海塩県にある秦山原子力発電基地は、建設開始から40周年を迎えます。建設が始まったのは1985年で、中国が自ら設計した初の原子力発電所としてスタートしました。
それから40年、秦山は発電所が集まるエネルギー基地として成長し、中国の核エネルギー開発とその応用分野を象徴する産業のアイコンとなっています。
中国の核エネルギーを支えるエネルギーベース
秦山原子力発電基地は、周辺地域に電力を供給するだけでなく、中国本土のエネルギー安全保障を支える拠点となっています。
原子力発電は、運転中に二酸化炭素をほとんど排出しない電源とされ、再生可能エネルギーと並んで脱炭素に向けた選択肢の一つに位置づけられています。秦山のように長期にわたって運転されてきた発電所は、こうしたエネルギー転換を下支えする存在でもあります。
秦山が担う研究開発 核電池というもう一つの顔
秦山原子力発電基地は、発電だけでなく、核エネルギーの応用技術の研究開発にも取り組んでいます。その一つが、核電池と呼ばれる電源技術です。
核電池は、放射性物質が出すエネルギーを利用して長期間発電する仕組みで、電池交換が難しい用途で使われます。秦山では、心臓ペースメーカー向けの核電池や、月面探査ローバー用のエネルギー源となる核電池の研究開発が行われています。
医療分野 心臓ペースメーカーを長く支える電源
心臓ペースメーカーは、心臓の拍動を電気信号で補助する医療機器です。体内に埋め込むため、一度手術すると電池交換は患者にとって大きな負担となります。長期間安定して動き続ける核電池が実用化されれば、電池交換の回数を減らし、患者の負担軽減につながる可能性があります。
宇宙分野 過酷な環境で動き続ける月面ローバー
月面は昼夜の寒暖差が激しく、太陽光が届かない時間も長く続きます。こうした環境では、太陽光発電だけに頼る探査機は活動が制限されます。長寿命で安定した電源となる核電池は、月面ローバーが長期間探査を続けるうえで有力な選択肢とされています。秦山での研究開発は、こうした宇宙探査技術の土台作りにもつながっています。
40年の歩みが示すエネルギーインフラの時間軸
秦山原子力発電基地の40年の歩みは、エネルギーインフラがいかに長い時間軸で計画され、投資されるかを物語っています。
そこから見えてくるポイントを、いくつか整理してみます。
- 発電所の建設から運転まで、数十年単位の視野が必要であること
- 安定した電力供給と同時に、安全性の確保や技術更新が欠かせないこと
- 基礎となる発電技術が、医療や宇宙など他分野のイノベーションにも波及しうること
読者への問い 原子力をどう位置づけるか
2050年に向けて各国が脱炭素を掲げるなかで、原子力をどのように位置づけるかは、日本でも議論が続いています。
秦山原子力発電基地の40年という節目は、単なる技術の成功物語としてだけでなく、次のような問いを静かに投げかけているようにも見えます。
- 長期にわたるエネルギー政策をどのように描くのか
- 安全性やリスクと、安定供給や脱炭素のメリットをどうバランスさせるのか
- 大規模インフラへの投資を、社会としてどこまで受け入れ、監視していくのか
スキマ時間にこの記事を読んでいるあなたも、秦山の40年をきっかけに、自分の暮らしとエネルギーとの関係をあらためてイメージしてみてはいかがでしょうか。中国本土で進む核エネルギーの活用は、遠い国の話であると同時に、日本や世界のエネルギーの未来とも静かにつながっています。
Reference(s):
cgtn.com








