CDF2025でBMW会長が語った中国重視戦略 「未来のモビリティはここで生まれる」 video poster
BMW会長、CDF2025で示した「中国重視」の本気度
国際ニュースの注目イベントとなったChina Development Forum 2025(CDF2025)で、BMWグループ会長のオリバー・ツィプセ氏が、中国市場への長期的な信頼とコミットメントを改めて強調しました。自動車産業とEVシフトの行方を考えるうえで、見逃せないメッセージです。
「最大の市場」から「未来をつくる現場」へ
ツィプセ氏はスピーチの中で、中国について「単にBMWにとって最大の市場であるだけでなく、世界のモビリティの未来が形づくられている場所だ」と語りました。
ここで言うモビリティとは、クルマの所有や利用だけでなく、電気自動車(EV)や自動運転などを含む「移動のあり方」そのものを指します。BMWトップが「未来のモビリティは中国でつくられている」と位置づけたことは、自社の販売戦略にとどまらず、グローバルな技術競争の重心がどこにあると見ているかを示していると言えます。
両会が示した「成長」と「対外開放」への期待
ツィプセ氏は、中国の重要な政治イベントである「両会」にも言及しました。CGTNの王冠(ワン・グアン)氏とのインタビューで、同氏は両会について「成長と世界との関わりに関する明確なシグナルを出した」と評価しました。
企業トップにとって、長期投資の判断材料になるのは、短期の景気指標だけではありません。どのような成長路線を取るのか、海外との連携をどう位置づけるのかといった、政策の方向性も重視されます。BMWが中国に対する「長期的な自信」を強調した背景には、こうした政策シグナルの読み取りがあると考えられます。
EV電池でCATL・EVEと連携、サプライチェーンも中国が軸に
ツィプセ氏は、BMWのグローバルなサプライチェーン(供給網)における中国の役割にも触れました。とくに電気自動車向けバッテリーで、CATLやEVEとのパートナーシップを例として挙げています。
EVの競争力を決める要素として、電池の性能とコストは欠かせません。BMWは、電池分野でのパートナーシップを通じて、
- 成長の大きいEV市場に合わせた製品開発
- 大量生産によるコスト競争力の強化
- 現地での技術開発を通じたイノベーションの加速
といった効果を狙っているとみられます。
「14億人のモビリティ率はまだ低い」成長余地への注目
ツィプセ氏はインタビューで、中国の人口14億人に対し、「モビリティ率はまだ低い」とも指摘しました。ここでのモビリティ率とは、おそらく自家用車の普及や移動手段の充実度を意味していると考えられます。
すでに巨大な自動車市場でありながら、「まだ伸びしろがある」と見る視点は、海外メーカーが中国を長期戦略の中心に据える理由の一つです。同氏は「この市場には成長の余地がある。それは販売だけではなく、ここで世界向けの技術を開発することでもある」と述べています。
「中国でつくり、世界へ展開する」戦略の意味
ツィプセ氏の発言を整理すると、BMWの中国戦略は次のような柱で構成されているように見えます。
- 中国を最大の「消費市場」として重視する
- EV電池などの分野で、パートナー企業と協力しながらサプライチェーンを構築する
- 中国をイノベーション拠点と位置づけ、「ここで開発した技術を世界に展開する」モデルを追求する
これは単に工場や販売拠点を置くだけではなく、「技術とビジネスモデルを中国で磨き、その成果をグローバルに持ち出す」という発想です。自動車産業に限らず、多くのグローバル企業が模索している方向性とも重なります。
世界の自動車産業にとっての問い
BMW会長のメッセージは、一社の経営戦略を超えて、次のような問いを投げかけています。
- どの地域を、どのような役割を持つ拠点として位置づけるのか
- 巨大市場でありイノベーション拠点でもある中国と、どう関わっていくのか
- EVや次世代モビリティの技術開発を、どこで誰と進めるのか
日本やアジアの自動車メーカー、関連産業にとっても、こうした問いは他人事ではありません。グローバル企業が中国で何を見ているのかを追うことは、自社の立ち位置や戦略を考えるヒントにもなります。
2025年のCDF2025で発せられたこのメッセージは、今後数年の自動車産業と国際ビジネスの流れを読み解くうえで、重要な手がかりの一つと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








