ボアオ・アジアフォーラム開幕 デジタル経済とグリーン経済がアジア新成長源に video poster
中国南部の海南省で開幕したボアオ・アジアフォーラムは、人工知能(AI)、グリーン開発、そして経済をテーマに議論が行われています。中国の民族大学の一帯一路研究センター研究員である曲強(Qu Qiang)氏は、アジア経済の安定した成長が続くなかで、デジタル経済とグリーン経済が新たな成長分野になっていると指摘します。
ボアオ・アジアフォーラムとは何か
ボアオ・アジアフォーラムは、アジアと世界の政治・経済・学術分野の関係者が集まり、地域と世界の課題について意見交換を行う場です。2025年も、中国南部の海南省に各国・地域の代表や専門家が集まり、国際ニュースとしても注目されています。
今年のフォーラムでは、特に次の3つのテーマが重ねて語られています。
- 人工知能(AI)の進展と社会・産業への影響
- 環境負荷を抑えたグリーン開発のあり方
- アジア経済の今後の成長パターン
デジタル経済:サービスと産業を変える「見えないインフラ」
曲強氏が強調する新成長分野の1つが、デジタル経済です。デジタル経済とは、インターネットやクラウド、データ解析、AIなどのデジタル技術を基盤にした経済活動を指します。
アジアでは、若い人口が多く、スマートフォンやオンラインサービスの普及が進んでいます。これにより、次のような広がりが生まれています。
- オンライン決済や電子商取引など、日常生活を支えるサービスの拡大
- 製造業や物流でのデータ活用による効率化
- スタートアップ企業による新しいビジネスモデルの登場
こうした動きは、単なるIT産業の成長にとどまらず、従来の産業構造をゆっくりと書き換える「見えないインフラ」として、アジア経済の土台を変えつつあります。
グリーン経済:成長と環境を両立させる試み
もう1つの柱がグリーン経済です。グリーン経済とは、環境負荷を減らしながら成長を目指す経済の姿を指し、省エネルギーや再生可能エネルギー、循環型社会づくりなどが含まれます。
アジアの多くの国・地域では、経済成長と同時にエネルギー需要や環境問題も拡大してきました。そのため、次のような方向性が重要になっています。
- エネルギー効率の高い設備やインフラへの投資
- 再生可能エネルギーの導入拡大
- 廃棄物削減やリサイクルの推進
デジタル技術は、グリーン経済にも直接つながります。例えば、エネルギー消費をデータで可視化して最適化する仕組みや、物流ルートをAIで効率化する取り組みなど、デジタルとグリーンを組み合わせた「スマートな成長」が模索されています。
アジア経済の「安定成長」が意味するもの
曲強氏は、アジア経済が安定した成長軌道を続けていると述べています。この「安定成長」は、単に成長率の数字だけを指すのではなく、次のような広がりも含んでいると見ることができます。
- デジタル経済とグリーン経済という、新しい柱の育成
- 域内のつながりを強めるインフラや貿易の拡大
- 社会の変化に対応したルールづくりや制度改革
一方で、アジアは多様な国・地域から成り、経済発展の段階もさまざまです。デジタルとグリーンの波にうまく乗れる地域と、乗り遅れが懸念される地域との格差をどう縮めていくかは、今後の重要な論点です。
2025年の私たちにとっての意味:3つの視点
2025年のいま、日本を含むアジアの動きをフォローする読者にとって、ボアオ・アジアフォーラムの議論は次の3つの視点から捉えると分かりやすくなります。
- 政策の視点:各国・地域の政府が、デジタルとグリーンをどう位置づけるか。規制や支援策は、企業活動にも生活にも影響します。
- ビジネスの視点:新しい成長分野として、どのようなサービスや技術が求められるのか。アジア市場のニーズを読むことが重要になります。
- 個人の視点:デジタルやグリーン分野の拡大は、働き方や必要なスキルにも変化をもたらします。学び直しやキャリア選択にも関係してきます。
海南省でのフォーラムで交わされる議論は、アジア経済の将来像だけでなく、私たち一人ひとりの暮らし方や働き方にも静かに影響を与えるテーマにつながっています。デジタル経済とグリーン経済が、新しい成長のキーワードとしてどのように具体化していくのか。今後のアジアの国際ニュースを追ううえで、注目しておきたいポイントです。
Reference(s):
Analyst: Digital, green economies become new growth areas for Asia
cgtn.com








