春を祝う上巳節:唐代の「裙帳の宴」から大湾区の漢服若者まで video poster
毎年3月31日、春の始まりを告げる伝統行事「上巳節(じょうしせつ、Double Third Festival/重三節)」がやってきます。かつて唐代には、色とりどりのスカートを張り合わせた即席の「裙帳の宴」が開かれ、そして今、グレーターベイエリアの若者たちが漢服をまとって春を祝い直しています。
過去と現在のあいだで、春を愛でる心はどのように受け継がれているのでしょうか。
春の最初の伝統祭り「上巳節」とは
上巳節は、毎年3月31日に迎える春最初の伝統的な祭りとされています。「上巳節」や「重三節(Double Third Festival)」という名前で知られ、人びとは春の訪れを意識しながら、この節目の日を祝ってきました。
一年の中でも、寒さから暖かさへと季節が大きく切り替わる時期にあたるため、自然の変化を感じ取りながら、友人や家族と野外で過ごす時間が大切にされてきたといえるでしょう。
唐代の「裙帳の宴」に見る、優雅な春の楽しみ方
唐代(618〜907年)には、上巳節にあわせて独特の春の遊びが楽しまれていました。人びとは色鮮やかなスカートを使い、それらをつなぎ合わせて即席のテントのような空間をつくり、その中で野外の宴を開いたとされています。
この工夫されたピクニックは、「裙帳の宴」と呼ばれる優雅なイベントでした。身につけている衣服そのものが、場を彩る装飾となり、春風の中で食事や会話を楽しむ――そんな光景が目に浮かびます。
今のグレーターベイエリアでよみがえる春の装い
時代は変わっても、春を祝う気持ちは変わりません。現在、グレーターベイエリアでは、若者たちが伝統的な漢服(Hanfu、中国の伝統衣装)を身にまとい、春の訪れを祝う場に集まっています。
彼らは、春という共通のテーマのもとで集い、古くから伝わる節句の名を口にしながら、自分たちなりの楽しみ方でこの日を過ごしています。服装やスタイルは現代的になっても、「春を感じ、分かち合う」軸は唐代の人びとと大きく変わらないのかもしれません。
伝統は消えない、形を変えて咲き続ける
Tradition does not fade away; it blossoms in modern times with a vibrant spirit(「伝統は消えていくのではなく、現代においても生き生きと花開く」という意味)という言葉の通り、上巳節の春の祝い方は、過去と現在を静かにつないでいます。
唐代の「裙帳の宴」と、漢服をまとって集う今の若者たち。一見まったく別の光景のようでいて、どちらも春の日に外へ出て、装いを工夫し、人と一緒に季節を楽しむという点では共通しています。
歴史の中で形を変えながらも続いてきたこうした春の祭りは、華やかな衣装やイベント以上に、「季節を感じること」「誰かとその時間を分かち合うこと」の大切さを、静かに思い出させてくれる存在だと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








