中国神話の名犬がロボット犬に 浙江省の呉劇団が見せた「未来の伝統芸能」 video poster
中国神話の英雄・二郎神の相棒「Xiaotian Quan」が、ロボット犬として中国浙江省の呉劇団の舞台に登場し、テクノロジーと伝統芸能の融合として注目を集めています。
神話の名コンビ・Yang JianとXiaotian Quan
中国神話では、Yang Jian(別名・Erlang Shen、二郎神)は、正義感あふれる英雄として語られてきました。そのそばには常に、忠実な相棒である伝説の犬「Xiaotian Quan」が寄り添っているとされています。
物語の世界では当たり前の存在だったこの名犬が、2025年のいま、思いがけない形でよみがえりました。浙江省の呉劇団が、舞台上でこのXiaotian Quanの役をロボット犬に演じさせたのです。
ロボット犬が伝統オペラの一員に
今回話題になっているのは、中国浙江省の呉劇団による試みです。彼らは、神話の登場人物Yang Jianとその相棒Xiaotian Quanが登場する場面で、本物の犬や人間ではなく、ロボット犬をキャストとして起用しました。
ロボット犬は、舞台上で伝統的な衣装を身にまとった俳優たちと並び、共に演技を行います。セリフを話すのは人間ですが、ロボット犬は機敏な動きや首振り、歩行などで感情や雰囲気を表現し、観客の視線を引きつけます。
なぜロボット犬なのか
劇団側の詳しい意図は明らかにされていませんが、このロボット犬の起用には、次のような狙いがあると考えられます。
- デジタルネイティブ世代など若い観客に、神話や呉劇といった伝統文化への関心を持ってもらうきっかけをつくること
- ロボット犬ならではの正確な動きや演出を取り入れ、舞台表現の幅を広げること
- 動物を舞台に上げることなく、観客に「相棒の犬」がいる世界をリアルに感じてもらうこと
従来の様式を大切にしながらも、現代ならではの工夫を重ねることで、新たな観客層との接点を生み出そうとしているとも言えます。
テックと伝統文化、その出会いが生むもの
今回のロボット犬Xiaotian Quanは、テクノロジーと伝統文化が出会う象徴的な事例のひとつです。AIやロボット技術が身近になった2025年、物語の「神獣」や「妖怪」が、デジタル技術によって舞台上に具現化されるシーンは、これからさらに増えていくかもしれません。
テクノロジーを取り入れることで、伝統芸能が薄まってしまうのではないかという懸念もありますが、一方で、神話や古典の世界観を現代の観客に届け直すための「翻訳ツール」として活用する道もあります。
観客として、どう受け止めるか
ロボット犬が演じるXiaotian Quanを見て、あなたなら何を感じるでしょうか。最先端技術による演出としてワクワクする人もいれば、「人間と人形(ロボット)の境界」を改めて意識する人もいるかもしれません。
重要なのは、テクノロジーが伝統を置き換えるのではなく、物語や芸能に込められた価値を、別の形で伝え直すための手段として活用されているかどうかです。中国神話の英雄とその相棒がロボット犬として舞台に立つ光景は、私たちに「文化の継承とは何か」「テクノロジーと共存するとはどういうことか」という問いを静かに投げかけています。
通勤電車の中や休憩時間に、このニュースをきっかけに、自分の好きな物語やキャラクターが最新技術と出会ったらどうなるか、少し想像してみるのも面白いかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







