米国株がコロナ禍以来の急落 トランプ大統領の包括的関税で市場動揺 video poster
米国株式市場がコロナ禍以来の急落 トランプ大統領の関税発表が引き金に
米国株式市場で、主要指数が新型コロナウイルスのパンデミックの最中以来となる大幅安となりました。直接のきっかけとなったのは、トランプ大統領がほぼすべての貿易相手からの輸入品に対して広範囲な関税を課したことです。
ダウ1,679ドル安 S&Pとナスダックも軒並み下落
この日のダウ工業株30種平均は1,679ドル下落しました。S&P500種株価指数は4.84%安、ナスダック総合指数も5.97%安と、主要3指数がそろって大きく値を下げています。
3指数がここまでそろって急落するのは、新型コロナ危機が最も深刻だった時期以来とされ、市場参加者の間では、関税をきっかけに世界経済や企業収益が冷え込むのではないかという警戒感が広がりました。
「ほぼすべての貿易相手」に関税 市場が恐れたもの
今回発表されたのは、一部の国や特定の品目に限られた関税ではなく、ほぼすべての貿易相手からの輸入品を対象にした包括的な関税です。対象の広さそのものが、市場心理を冷やす要因となりました。
関税が一気に広がることで、企業や投資家は次のような点を懸念しています。
- 輸入コストの上昇による企業利益の圧迫
- 報復的な関税など、世界の国や地域との貿易摩擦の拡大
- 消費者物価の上昇を通じた家計への影響
- 世界経済の成長ペースが鈍化するリスク
ハイテクと小売が直撃 AppleやMeta、Amazon、Nikeも売られる
大幅安の中でも、ハイテク株や小売関連株の下げが目立ちました。Apple(アップル)、Meta(メタ)、Amazon(アマゾン)、Nike(ナイキ)など、世界的なブランド企業の株価がそろって大きく売られています。
これらの企業は、国境をまたぐサプライチェーン(部品調達や生産の網)に支えられ、世界中の消費者を相手にビジネスを展開しています。そのため、関税でコストが上がったり、消費需要が冷え込んだりすると、業績への影響が大きくなりやすいと見られています。
それでもトランプ大統領は強気 市場と景気の「ブーム」を強調
急落した株式市場とは対照的に、トランプ大統領は今回の関税と経済の先行きに対して楽観的な姿勢を崩していません。大統領は、市場と米経済は今後ブームになると主張し、短期的な混乱よりも中長期の成長効果を強調しています。
一方で、市場参加者の間では、関税が企業や消費者に与えるコスト増をどう吸収していくのかについて、慎重な見方が根強く、政権の強気なメッセージとの間に温度差も見られます。
日本の投資家・企業はどう向き合うか
米国株式市場の急落と関税の拡大は、日本の投資家や企業にとっても無関係ではありません。米国株や米国に事業基盤を持つ企業への投資、さらには世界経済の流れ全体に影響が及ぶ可能性があるためです。
短期的には、次のようなポイントが意識されます。
- 株価や為替が大きく振れやすい局面であることを前提に、過度な売買を避ける
- 保有している米国株や投資信託の値動きを追う際、ニュースの見出しだけで判断しない
- 金利や商品市況など、他の市場の動きも合わせてチェックする
中長期では、関税の動きがサプライチェーン再構築や企業の投資戦略の見直しにつながる可能性があります。日本企業にとっても、取引先や生産拠点の地域分散をどう進めるかが、改めて問われるかもしれません。
今回のニュースから考えたいこと
今回の米国株急落は、政策判断が市場心理に与える影響の大きさをあらためて示しました。同時に、関税や貿易をめぐる議論は、株価だけでなく、働き方や物価、企業の戦略など、私たちの日常生活にもつながっています。
ニュースを追う際には、株価の数字だけで一喜一憂するのではなく、関税という政策手段が何を目的にし、どのようなルールやパートナーとの対話の中で運用されていくのかにも、目を向けていきたいところです。
Reference(s):
U.S. markets plunge amid sweeping tariffs announced by Trump
cgtn.com








