トランプ関税は米国への「高くつく誤算」か 専門家が警鐘 video poster
米国が進める関税引き上げをめぐり、「そのツケを払うのは米国の消費者だ」との指摘が出ています。タイホー・インスティテュートの上級研究員エイナー・タンゲン氏は、トランプ氏の関税は「高くつく誤算」であり、その負担はまず米国内にのしかかると警鐘を鳴らしています。
日用品まで値上がりへ 関税引き上げの連鎖
今回の米国の関税引き上げは、特定の国や企業だけでなく、幅広い産業に影響が出るとされています。輸入品にかかる追加コストは、最終的に価格に転嫁されやすく、スーパーやオンラインで買う身近な日用品まで値上がりする可能性が高まります。
タンゲン氏は、こうした関税により「米国の消費者が世界の誰よりも先に打撃を受ける」と指摘しています。関税は海外企業への圧力として語られがちですが、現実には米国内で暮らす人々の家計を直撃する「見えにくい増税」として機能してしまう面があります。
専門家が「高くつく誤算」とみる理由
タンゲン氏がトランプ氏の関税を「大きな誤算」と評する背景には、次のような懸念があります。
- 輸入品の価格上昇で、衣料品や家電、生活雑貨など幅広い分野で物価が上がるおそれがあること
- 原材料や部品のコスト増によって、米国内の製造業やサービス業など、さまざまな産業が圧迫される可能性があること
- 消費者が節約に動けば、米国経済全体の需要が冷え込み、成長の勢いをそぐことになりかねないこと
つまり、海外への強硬姿勢を示すための関税が、結果として自国の企業や労働者、消費者に重い負担を課す「ブーメラン」になってしまうリスクがある、という見立てです。
なぜ世界と日本も無関係ではないのか
米国経済は、世界の貿易や投資と密接に結びついています。2025年12月現在、米国の関税政策が不透明になると、サプライチェーン(供給網)や企業の投資計画にも不安が広がりやすくなります。
たとえば、米国向けに部品や素材を輸出する企業は、コスト増や需要減の影響を受ける可能性があります。そうなれば、日本企業の収益や、日本で働く人々の雇用・賃金にも間接的な波及が出ることが考えられます。
また、市場が不安定になると、為替レートが動きやすくなり、円高・円安を通じて日本の輸出企業や輸入物価にも影響が及びます。米国の関税は米国だけの話ではなく、日本を含む世界経済に連鎖するテーマだと言えます。
私たちが押さえておきたい3つのポイント
今回の専門家の指摘から、日本の読者として押さえておきたい視点を3つに整理します。
- 関税は「見えない消費税」になりうる
輸入品にかけられた関税は、多くの場合、価格の上乗せという形で消費者に回ってきます。誰がコストを負担しているのかを意識してニュースを読むことが大切です。 - 短期の政治メッセージが長期の経済リスクに
強硬な関税政策は、短期的には支持を集めやすい一方で、長期的には産業競争力や家計をじわじわと弱らせる可能性があります。タンゲン氏のいう「誤算」は、この時間差にあります。 - 日本も世界も、米国の内政の影響を受ける
米国の関税と物価動向は、日本企業の業績や私たちの生活に間接的に響きます。株価や為替だけでなく、「関税」「物価」「消費」のつながりにも注目することで、ニュースの見え方が変わってきます。
これから何を注視すべきか
今後、米国の関税政策をめぐって、産業界や有権者の間でどのような議論が高まるのかが注目されます。トランプ氏の関税が本当に米国の利益につながるのか、それともタンゲン氏の言うように「高くつく誤算」だったと評価されるのかは、これからの経済指標や世論の動きの中で徐々に明らかになっていくでしょう。
ニュースを追う際には、「誰が得をし、誰が負担しているのか」という視点を持つことで、関税という一見遠いテーマも、自分の生活につながる問題として見えてきます。
Reference(s):
Analyst: Trump's tariffs are a costly miscalculation hurting the U.S.
cgtn.com








