トランプ氏の新関税、米企業に逆風か 専門家が警鐘 video poster
米国のトランプ氏が打ち出した新たな貿易政策と関税措置をめぐり、米企業自身が不利な立場に追い込まれかねないとの懸念が高まっています。国際ニュース専門チャンネルCGTNのインタビューで、エコノミストのマルコス・トロイホ氏が、これらの関税は海外だけでなく米国内の企業や消費者にも「リスク」と「不確実性」をもたらすと警鐘を鳴らしました。
新関税が広げる懸念:世界の貿易相手国に波紋
米国は現在、世界各地の主要な貿易相手国に対し、新たな関税を導入しています。国際ニュースの現場では、この動きが世界貿易のルールやサプライチェーンに与える影響が注視されています。
トランプ氏による貿易の「強硬策」は、自国産業の保護や貿易赤字の削減を狙ったものとされていますが、その一方で、多くの国や地域が対抗措置を検討するなど、国際的な摩擦を高める結果にもつながりかねません。
元NDB総裁トロイホ氏「最大の打撃は米企業と消費者に返ってくる」
CGTNの李爽(Li Shuang)氏のインタビューに応じた、ニュー・デベロップメント・バンク(NDB)元総裁でエコノミストのマルコス・トロイホ氏は、新関税によって生まれるリスクと不確実性が、海外だけでなく米国内にも広がると指摘しました。
トロイホ氏によれば、関税によって輸入品の価格が上昇すれば、原材料や部品を海外から調達している米企業のコストは増加し、その一部は製品価格に転嫁されます。その結果として、最終的に負担を強いられるのは、米企業と米国の消費者だという見方です。
企業の投資判断を鈍らせる「不確実性」
トロイホ氏が特に強調したのが、不確実性の拡大です。関税がいつまで続くのか、どの品目や国にどこまで広がるのかが見えない状況では、企業は長期の投資計画や雇用の拡大に踏み切りづらくなります。
- サプライチェーン再編にかかるコストや時間が読みにくい
- 輸出向けの生産拠点が将来も採算を保てるか判断しにくい
- 為替や株式市場の変動が大きくなり、資金調達コストが不安定になる
こうした要因が重なることで、企業は守りの姿勢を強めざるを得ず、そのしわ寄せが雇用や賃金、研究開発投資など、米経済の将来を左右する分野に及ぶおそれがあります。
世界経済への波及:誰にとっても「読みづらい」時代に
新たな関税は、米国の貿易相手国にとっても不透明要因となります。どの産業がどれだけ影響を受けるのかが読みづらい状況では、各国企業は新規投資や米国向け輸出の計画を慎重に見直さざるを得ません。
米国が世界最大級の市場である以上、その貿易政策の揺れは、世界経済全体の不安定さにもつながります。国際ニュースとしても、単なる二国間の対立にとどまらない構図が浮かび上がっています。
日本とアジアにとっての意味
日本やアジアの国々にとっても、米国の関税政策は対岸の火事ではありません。米国向けの輸出だけでなく、米企業のサプライチェーンに組み込まれているアジア企業も多く、関税によるコスト増や需要の変化の影響を直接・間接に受ける可能性があります。
たとえば、次のようなルートで波及することが考えられます。
- 米企業の設備投資や研究開発費の縮小による、海外サプライヤーへの発注減少
- 米国市場での価格上昇による消費減退と、それに伴う輸出の減少
- 世界的な景況感の悪化による、株式市場や為替市場の不安定化
日本語で国際ニュースを追う読者にとっては、米国の動きを「遠い世界の話」とせず、自国経済や日常生活とのつながりを意識しておくことが重要になっています。
これから注目したい4つのポイント
今回のトランプ氏の貿易政策と新関税をめぐって、今後チェックしておきたいポイントを整理します。
- 関税の対象国・対象品目の広がりや見直しの動き
- 米企業の業績、投資、雇用への影響
- 米国の消費者物価や景気指標の変化
- 各国・各地域が取る外交的・経済的な対応
トロイホ氏が指摘するように、最大の問題は「不確実性」が長期化することです。短期的な数字だけでなく、中長期的に企業や家計の行動がどう変わるのかを追っていく必要があります。
「読みやすいけれど考えさせられる」視点を
トランプ氏の新たな関税をめぐる議論は、「誰が得をし、誰が損をするのか」という単純な図式では語りきれません。自国産業を守るつもりの政策が、自国企業や消費者にとってのコスト増となり、さらには世界経済の不安定さを招く可能性がある。トロイホ氏の警告は、その複雑な現実を映し出しています。
ニュースを追う私たち一人ひとりにとっても、「関税」や「貿易戦略」といった言葉を、株価や為替だけでなく、働き方や生活コスト、社会のあり方と結びつけて考えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








