マレーシアの伝統文化とテクノロジーを歩く:東南アジアのいま video poster
マレーシアの街を歩くと、伝統文化の香りと最先端テクノロジーの空気が同時に流れていることに気づきます。本記事では、短尺シリーズ「SEA You There」が切り取るマレーシアの今を手がかりに、この国の多文化社会とインフラ開発を日本語でわかりやすく読み解きます。
多民族国家マレーシアの「文化のプリズム」
マレーシアは、マレー系、華人コミュニティ、インド系、そして先住民族の文化が並び立つ、多民族国家です。2020年代のいまも、それぞれの伝統が日常生活のなかで息づいています。
街のカレンダーを彩る主な祭りには、例えば次のようなものがあります。
- マレー系の人びとが家族や友人と集うハリ・ラヤ(断食明け祭)
- 赤い提灯と獅子舞でにぎわう春節(旧正月)
- インド系コミュニティが灯りで街を飾るディーパバリ
- 先住民族の収穫や自然への感謝を表す祭礼
こうした多彩な祭りが同じ国のなかで当たり前のように共存していることが、マレーシアの大きな特徴です。店先の飾りや音楽、屋台の料理に至るまで、それぞれの文化が目と舌と耳で「共演」しています。
伝統家屋と近未来的スカイラインが同じ画面に
動画シリーズ「SEA You There」は、マレーシアの街並みを「文化の万華鏡」と表現しています。首都クアラルンプールでは、モスクや寺院のそばに高層ビルがそびえ、ガラス張りのオフィスや大型ショッピングモールが夜遅くまで光を放ちます。
少し郊外に足を伸ばせば、木造の高床式家屋が並ぶ集落と、最新の高速道路や鉄道駅が同じ視界に入ってきます。紙とインクで刷られたお守りの横で、スマートフォン決済のQRコードが貼られている光景も珍しくありません。
2025年のいま、マレーシアの都市は「昔ながら」と「最新」が対立するのではなく、同じ空間に重なり合うように存在していると言えます。
高速鉄道とハイテクカーが変える「移動」の感覚
シリーズの中では、マレーシアの現代的な開発として、高速鉄道やハイテクカーにも注目しています。これらは、単なる便利な交通手段という以上に、人々の暮らし方や国のつながり方を静かに変えつつあります。
- 高速鉄道:主要都市を素早く結び、通勤や週末旅行の選択肢を広げています。移動時間が短くなることで、離れて暮らす家族や友人を訪ねやすくなり、経済活動も活発になります。
- ハイテクカー:電動化や運転支援といった技術を搭載した車は、環境負荷を減らしながら、長距離ドライブをより安全で快適なものにしています。車そのものが「走るガジェット」となり、若い世代のライフスタイルの一部になりつつあります。
インフラやモビリティ(移動)のアップデートは、伝統文化と矛盾するものではなく、人の流れや出会い方を変え、文化が交わる機会を増やす装置にもなっています。
若い世代がつなぐ「伝統×テック」
マレーシアでも日本と同じように、デジタルネイティブ世代が社会の中心になりつつあります。彼らは、家族と一緒に伝統的な祭りに参加しながら、その様子をスマートフォンで撮影し、SNSで世界中にシェアします。
屋台の料理や路地裏のカフェ、静かな寺院やモスクの風景が、ショート動画や写真として拡散されることで、「ローカルな日常」が国境を越えて届きます。これは、文化を守ると同時に、新しいかたちでアップデートしていく試みとも言えます。
テクノロジーは、伝統を塗り替えるものではなく、「見つけてもらうための窓」として機能しているのかもしれません。
東南アジアを立体的に見るための連載「SEA You There」
「SEA You There」は、東南アジアの「心と素顔」を短いエピソードで切り取るシリーズです。名物料理や歴史ある建物だけでなく、地元の雰囲気、貿易や物流のルート、インフラ整備、成長中の小さなビジネスまで、広い視野で地域を捉えています。
日本から見ると、東南アジアは「旅行先」や「生産拠点」として語られることが多い地域です。しかし、このシリーズが映し出すのは、それぞれの国や都市が持つ固有のリズムと、そこで暮らす人びとの生活の手触りです。
マレーシアのエピソードは、多文化共生とテクノロジーの進展が、決して特別な話ではなく、アジアの多くの地域で同時に進行している「いま」の一断面であることを教えてくれます。
マレーシアから考える、これからの都市と社会
多様な伝統が共存し、高速鉄道やハイテクカーといったテクノロジーが生活インフラとして浸透していくマレーシアの姿は、2025年を生きる私たちにいくつかの問いを投げかけます。
- 異なる文化や価値観が同じ街で共存するとき、どんな工夫ができるのか。
- テクノロジーを「効率化の道具」だけでなく、「文化をつなぐ橋」として使うにはどうすればよいか。
- 日本の都市や地域社会は、どのようにして自分たちなりの「伝統×テック」のバランスを描けるのか。
東南アジアの一コマとしてのマレーシアを知ることは、同じアジアで暮らす私たち自身の未来像を考える手がかりにもなります。通勤時間やスキマ時間に、こうした国際ニュースや地域の物語に触れてみることが、日常の視野を少しだけ広げてくれるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








