12州がトランプ政権を提訴 違法な関税巡り揺れる米国の通商権限 video poster
米国のトランプ政権が進める関税政策に対して、民主党系の12州が違憲・違法だとして訴訟を起こしました。大統領の通商権限と合衆国憲法の関係が問われており、2025年の国際ニュースの中でも注目度の高い動きです。
何が起きたのか:12州がトランプ政権を提訴
今回の訴訟は、トランプ政権の関税政策が合衆国憲法に反していると主張するものです。原告となっているのは、いずれも民主党系の知事や司法長官を抱える12の州で、政権の関税措置を違法なものだと位置づけています。
訴状では、政権が一方的に関税を引き上げるやり方は、議会を通さずに事実上の通商政策を転換するものであり、憲法上認められた枠組みを逸脱していると指摘しているとされています。
争点は「大統領の通商権限」と議会の役割
専門家が注目するのは、この訴訟が大統領の通商権限の在り方を大きく揺さぶる可能性がある点です。米国憲法はもともと、関税を含む通商に関する権限を議会に与えてきました。
一方で、長年にわたり議会はさまざまな法律によって、大統領に一定の裁量権を委ねてきました。今回の争いは、その委任がどこまで許されるのか、そしてトランプ政権の関税措置がその範囲を超えているのかどうかが核心となります。
判決次第では、今後の大統領がどこまで単独で関税を操作できるのかというルールが事実上書き換えられ、米国の通商政策の意思決定プロセスそのものに影響を与える可能性があります。
なぜ民主党系の州だけが動いたのか
今回の原告がすべて民主党系の州であることから、この訴訟は法的な争いであると同時に、トランプ政権の通商アジェンダへの政治的な対抗でもあります。
民主党系の州の多くは、輸出入や国際ビジネスへの依存度が高く、急な関税引き上げが地域経済や雇用に与える影響を懸念しやすい立場にあります。そのため、政権の関税政策に対し、法廷で歯止めをかけようとする動きが強まりやすいとみられます。
一方で、トランプ政権の支持層には、通商政策の強硬化を歓迎する声も根強く、関税をめぐる議論は米国内の政治的な対立を象徴するテーマにもなっています。
国際ニュースとしての意味:世界の貿易秩序への影響
今回の訴訟は米国内の憲法問題であると同時に、国際ニュースとしても重要です。米国の関税政策は、世界の貿易ルールや各国の経済に直接影響するためです。
もし裁判所が大統領の関税権限に厳しい制約を課した場合、今後の米国政府は大規模な関税措置を発動する際に、より強く議会の関与を求められる可能性があります。これは、海外の企業や投資家にとっては、通商政策の予測可能性が高まる方向に働くかもしれません。
逆に、政権側の主張が認められ、大統領の裁量が広く容認される結果となれば、政権交代のたびに関税方針が大きく振れるリスクが残り、国際市場の不確実性が続く可能性もあります。
日本にとってのポイント
日本企業や日本の投資家にとっても、米国の関税政策の行方は無関係ではありません。米国向け輸出や、米国を経由したグローバルなサプライチェーンは、関税の水準やルールの変化に敏感だからです。
今回の訴訟をめぐって注目したいポイントは、次の三つです。
- 大統領の通商権限がどこまで認められるのかという、米国憲法上のルールが整理される可能性
- 政権と州の対立が長期化した場合、企業の投資判断や輸出入計画に影響が及ぶリスク
- 判決内容によっては、今後の米政権の通商戦略全体が見直される可能性
国際ビジネスに関わる日本の読者にとって、この訴訟は単なる米国内の政争ではなく、長期的なリスク管理の観点からウォッチしておきたい動きだと言えます。
これから何を見ていくべきか
今後は、裁判所がどのようなスケジュールで審理を進めるのか、そして途中段階で仮の判断が示されるのかが焦点になります。関税の発動や維持に対して、一時的な差し止めが認められるかどうかも注目です。
また、トランプ政権側がどのような法的根拠を示し、自らの関税政策を正当化しようとするのかも重要なポイントです。安全保障や国内産業の保護といった論点が、どのように憲法解釈と結びつけられるかが問われることになります。
2025年の国際ニュースは、地政学や安全保障だけでなく、こうした法廷を舞台にした通商を巡る攻防がますます増えていく可能性があります。読者としては、ニュースを単に「賛成か反対か」で見るのではなく、憲法・政治・経済が複雑に絡み合うプロセスとして捉えることで、見えてくる景色が変わってきます。
まとめ:読み解くための3つの視点
最後に、このニュースをフォローするときの視点を整理します。
- 法の視点:関税権限を議会に与えた合衆国憲法を、裁判所がどう解釈するのか
- 政治の視点:民主党系の州とトランプ政権の対立が、通商政策をめぐる党派対立としてどう深まるのか
- 経済の視点:判決が出るまでの間も含め、企業や市場が不確実性とどう向き合うのか
12州による提訴は、米国の通商政策だけでなく、国際経済と民主主義の仕組みをあらためて問い直す出来事になりそうです。続報では、具体的な審理の進捗や、それに対する市場や各国の反応も追っていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com







