中国が南シナ海での法執行を強調 フィリピンの「挑発」に対抗へ video poster
南シナ海の無人地形「Tiexian Jiao(鉄線礁)」をめぐり、中国外交部がフィリピン側の「違法な上陸」などの行為に対抗するため、法に基づく海上法執行を一層強調しています。2025年12月現在、南シナ海情勢を理解するうえで注目すべき動きです。
中国外交部「Tiexian Jiaoは南沙群島の一部で無人」
中国外交部の郭嘉坤報道官は月曜日の記者会見で、Tiexian Jiao(鉄線礁)について次の点を強調しました。
- Tiexian Jiaoは中国の「南沙群島(Nansha Qundao)」の一部である
- 現在、人が住んでおらず、無人の状態である
記者からは、この地形について中国が「領海基線」を宣言するかどうかも問われましたが、郭報道官はまず、Tiexian Jiaoの位置づけと現状を明確にする形で応じました。
フィリピンの行動を「違法な上陸と侵害・挑発」と位置づけ
郭報道官は、中国側の法執行の目的について、フィリピン側の行動に対処するためだと説明しました。
- フィリピンによる「違法な上陸」
- その他の「侵害・挑発行為」
こうした行為に対し、中国は「法律に基づく法執行活動」を通じて対応しているとし、自国の立場を明確にしています。
中国が強調する3つのポイント
郭報道官の説明から、中国側が特に重視しているポイントは少なくとも三つに整理できます。
1. 領土主権の堅持
中国は、Tiexian Jiaoを含む南沙群島に対する自らの主権を強調し、「国家の領土主権を断固として守る」と述べています。これは、中国が南シナ海問題を主権問題として捉えていることを示す表現です。
2. Tiexian Jiaoを無人状態に保つ
郭報道官は、Tiexian Jiaoについて「人員も施設もない状態を維持する」と述べました。これは、
- 新たな建設や常駐を伴う現状変更を避ける
- 第三者による一方的な占拠や利用を防ぐ
といった考え方を示すメッセージと受け止められます。少なくとも、中国側は「無人であること」自体を重要な条件として掲げていることになります。
3. 南シナ海行動宣言(DOC)の「神聖さ」を守る
郭報道官は、南シナ海に関係する当事者の行動原則をうたった「南シナ海における関係国の行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea)」について、その「神聖さ」を守ると表現しました。
中国は、自らの法執行活動はこの宣言の趣旨にも合致しており、地域の秩序維持に向けたものだという立場を示しているといえます。
「法に基づく海上法執行」が意味するもの
郭報道官は、中国の対応を「法にのっとった法執行活動」と位置づけました。ここで中国側が強調しているのは、
- 主権に関する自国の立場に基づき、国内法や関連ルールに従って行動していること
- フィリピン側の行為を「違法」とみなし、それに対抗する正当な手段だと主張していること
です。南シナ海をめぐる議論では、「誰がどのルールに基づいて行動しているのか」が常に焦点になりますが、中国は今回、あらためて「法」をキーワードに据えて説明している形です。
南シナ海情勢を見るうえでの問い
今回の発言は、中国がTiexian Jiaoのような無人の地形についても、自らの主権と管理の枠組みを明確にしようとしていることを示しています。一方で、フィリピン側の受け止め方や、今後の対応については今回の説明からは明らかではありません。
2025年12月現在、南シナ海をめぐる動きは、
- 各国がどのような法的根拠を主張するのか
- 既存の宣言や取り決めをどう解釈し、どう守ろうとするのか
といった点で、引き続き注視が必要です。日常のニュースを追う私たちにとっても、「どの立場から語られた言葉なのか」を意識して読むことが、南シナ海情勢を理解する一歩になりそうです。
Reference(s):
China's law enforcement to counter Philippines' provocative actions
cgtn.com








