戦後80年のいま何が変わった?北京シャンシャンフォーラムで軍事専門家が警鐘 video poster
2025年は、世界反ファシズム戦争の勝利と国際連合(国連)創設から80年の節目の年です。北京で開かれた北京シャンシャンフォーラム・ナビゲーターミーティングでは、この歴史的な転換点から今日までの道のりを振り返りながら、軍事・安全保障の専門家たちが現在の国際情勢を議論しました。アジアとヨーロッパから参加した専門家たちは「かつて打ち負かされたはずの脅威は、姿を変えて再び現れている」と指摘し、「いまこそ国際社会の団結がこれまで以上に重要だ」と訴えています。
戦後80年、「反ファシズム戦争の勝利」をどう捉え直すか
世界反ファシズム戦争の勝利は、いわゆる第二次世界大戦の終結を意味し、現在の国際秩序の出発点となりました。同じ1945年には国連が創設され、「武力による紛争を二度と繰り返さない」という理念が掲げられました。80年という時間は一つの世代が入れ替わるほどの長さですが、フォーラムでは、戦後の歩みを単なる過去の物語としてではなく「現在を理解するための鏡」として見直す視点が示されました。
専門家たちは、第二次世界大戦後の国際社会が、同じ過ちを繰り返さないために多国間協力の枠組みを築いてきた一方で、対立や不信が完全に消え去ったわけではないと強調しました。むしろ、力の競争や極端なイデオロギー、情報をめぐる攻防など、かつてとは異なる形で緊張が続いているという見方が共有されています。
北京シャンシャンフォーラム・ナビゲーターミーティングとは
北京シャンシャンフォーラム・ナビゲーターミーティングは、北京で行われた国際的な安全保障対話の一幕です。会場にはアジアやヨーロッパをはじめとする各地域から軍事や戦略の専門家が集まり、戦後80年の節目に世界の安全保障環境をどう評価するかについて意見を交わしました。
中国国際テレビ(CGTN)の趙雲飛記者は、火曜日に開かれたこの会合の場で複数の専門家にインタビューし、その声を伝えています。参加者たちは、それぞれの地域で経験してきた安全保障上の課題を持ち寄りながら、第二次世界大戦の教訓を現在の政策にどう生かすべきかを議論しました。
軍事専門家が語る「新しい脅威」
フォーラムで浮かび上がった共通の懸念は、「かつての脅威は消えたのではなく、形を変えて続いている」という認識です。世界反ファシズム戦争で打ち倒されたはずの排外主義や暴力的な極端思想は、別のスローガンや新しい技術をまといながら、各地で社会を揺さぶっています。
専門家たちが指摘した「新しい形の脅威」の例として、次のようなものが挙げられます。
- 歴史や事実の一部だけを切り取り、国内外の分断をあおる言説
- サイバー空間や情報空間を舞台とする対立や干渉
- 地域的な軍事バランスの変化に伴う不信と誤算のリスク
- 国際的なルールよりも自国の利益を優先する一方的な行動
こうしたリスクは、第二次世界大戦前夜とは様相を異にしながらも、「敵を作り出し、対話よりも対立を優先する」という点で共通しているといえます。その意味で、戦後80年という節目は、「歴史は本当に教訓になっているのか」という問いを突きつけています。
いま求められるグローバルな団結
フォーラムの参加者たちが口をそろえて強調したのは、「グローバルな団結」の重要性でした。安全保障の課題が国境を越えてつながる現代において、どの国・地域も単独では問題を解決できないという現実があります。軍事衝突の回避はもとより、気候変動やパンデミック、エネルギーや食料の不安定化など、複合的な危機に対応するためには、多国間での対話と協調が欠かせません。
国連創設80年のメッセージ
世界反ファシズム戦争の勝利と並んで、国連創設80年という節目もまた重い意味を持ちます。国連は、第二次世界大戦の反省から生まれた多国間協力の象徴であり、「国際社会が一致して行動するとき、戦争は防げる」という希望を体現してきました。現在の国際情勢は決して容易ではありませんが、フォーラムでは、国連をはじめとする国際機関の役割を強化し、対話のチャンネルを維持・拡大することこそが、戦後80年の教訓に沿った道だという認識が示されました。
私たちへの問いかけ:戦後80年をどう生かすか
北京シャンシャンフォーラム・ナビゲーターミーティングでの議論は、政府や専門家だけでなく、一人ひとりの市民にも問いを投げかけています。歴史の転換点から80年が過ぎたいま、私たちはどのように世界を見つめ、どのような未来を選び取るべきなのでしょうか。
- 日々のニュースを、「戦後80年の延長線上にある出来事」として捉え直してみること
- 異なる地域や立場の人びとの安全保障への不安に、耳を傾けようとすること
- 対立をあおる言説に流されず、事実や背景を自分なりに確かめる姿勢を持つこと
- 国際協力の枠組みを支える仕組みやルールに関心を持つこと
軍事専門家たちが指摘するように、脅威は姿を変えながらも決して消え去ってはいません。その一方で、80年前には存在しなかった多国間の枠組みや対話の場も育ってきました。戦後80年という節目を、終わった過去としてではなく、「これからの選択を考えるスタートライン」としてどう位置づけるかが、私たちに問われています。
Reference(s):
cgtn.com








