NVIDIAフアンCEO「AIで米中は非常に近い」短期決着なき長期戦と発言 video poster
2025年4月30日、米議会のイベント後に発言したNVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、米国と中国のAI開発は「非常に非常に近い」水準にあり、勝敗がすぐに決まるような短期決戦ではないとの見方を示しました。世界のAI競争をどう捉えるかを考えさせる発言です。
フアンCEOのこの発言は、2025年12月の今も、AIをめぐる国際競争を考えるうえで示唆に富んだ内容になっています。
フアンCEO「AIで米中は非常に近い」
2025年4月30日、フアンCEOは米議会のイベント後に記者団に対し、米国と中国のAI開発は「very, very close」、つまりほとんど差がない水準にあると語りました。AIをめぐる競争は長期にわたるレースであり、どちらか一方が簡単に勝利を収めるようなものではないと強調しました。
また、米国がAIで中国に素早く勝つことを期待すべきではないとも指摘し、短期的な勝ち負けよりも、長期的な視野と継続的な投資が重要だという考えをにじませました。
中国の「強い意志と技術力」を評価
フアンCEOは、中国の強い意思と技術力にも言及しました。AI分野で中国が持つ研究開発力や実行力を高く評価し、AI競争を語るうえで、その存在を過小評価すべきではないというメッセージとも受け取れます。
特に注目されるのは、「世界のAI研究者の半分は中国出身だ」とする指摘です。これは、AIの進展を左右する最大の資源が人材であり、その半数が中国にルーツを持つという見方を示したものです。
AI人材が示す「重心」の変化
世界のAI研究者の約半数が中国出身だというフアンCEOの発言は、AIの重心が特定の国だけに偏っていないことを示唆します。研究者は国境を越えて活動し、米国や欧州、日本などさまざまな国や地域の大学や企業で活躍しています。
その一方で、どこに優秀な人材が集まり、活躍できる環境があるかは、今後のAI競争を左右する重要なポイントです。フアンCEOの発言は、技術だけでなく人材や環境づくりの重要性を改めて浮き彫りにしたと言えます。
「長期戦」としてのAI競争をどう見るか
フアンCEOが強調したのは、AIをめぐる米中の競争が長期戦であるという点です。短期的な勝ち負けではなく、長期にわたる研究開発や人材育成、インフラ整備が効いてくる分野だという前提に立った発言だと考えられます。
- 短期間で決着がつく勝敗ではなく、長く続く技術・人材・産業の積み重ねが問われる
- 一時的な規制や制限だけで、相手の技術発展を完全に止めることは難しい
- どの国や地域にとっても、持続的な投資と教育が不可欠になる
日本やアジアにとっての示唆
フアンCEOの発言は、米国と中国という二大プレーヤーだけでなく、日本やアジアの国や地域にとっても示唆的です。AI技術は国境を越えて広がり、研究成果や人材もグローバルに行き来します。どこにいても、世界の動きを前提に戦略を考える必要があることを思い出させます。
日本にとっても、AI人材の育成や国際的な連携、倫理的なルールづくりなど、長期視点の取り組みが欠かせません。米中の競争を他人事として眺めるのではなく、自らの立ち位置と強みをどう築くかが問われていると言えます。
「勝ち負け」よりも「どう付き合うか」を問う発言
AIをめぐる議論は、しばしばどの国が勝つのかというフレームで語られがちです。しかしフアンCEOの発言からは、AIは単純な勝ち負けで測れるものではなく、長期にわたって人材と技術を育て続けられるかどうかが重要だという視点が読み取れます。
米国と中国がAIで非常に近い水準にあり、しかもその競争が長期戦であるとするなら、求められるのは相手を過小評価しない冷静さと、自国や自地域の強みを静かに積み上げていく姿勢です。私たち一人ひとりにとっても、AIを恐れる対象や単なる流行としてではなく、長く付き合っていく基盤技術としてどう向き合うかが問われています。
Reference(s):
NVIDIA CEO: U.S. shouldn't expect a quick win over China in AI
cgtn.com








