中国のペット経済が「感情のインフラ」に 若手起業家がつくる新しい空間 video poster
中国の若手起業家たちが、ペット向けのユニークな空間づくりを通じて「小さなビジネス」を「大きな消費」に変えつつあります。CGTNのシリーズ「Creating New Consumption」は、その動きをペット経済に焦点を当てて伝えています。
CGTNが追う「新しい消費」の現場
CGTNのシリーズ「Creating New Consumption」では、若い中国の起業家たちがどのようにして新しい消費を生み出しているのかを紹介しています。今回取り上げられているのは、約420億ドル規模とされる中国のペット経済です。
420億ドル規模のペット経済とZ世代
番組によると、中国では2024年までにペットの猫と犬の数が1億2,000万頭を超えました。その背景には、Z世代がペットを「家族」として受け止める価値観の変化があります。単なる飼育対象ではなく、感情を分かち合う存在としてペットを見る人が増えています。
成都・ペットフレンドリーな都市から生まれる新ビジネス
リポートの舞台は、中国内陸部の都市・成都です。成都は中国のなかでもペットにやさしい街の一つとされ、CGTNの呉雲柳(Wu Yunliu)記者が現地の動きを伝えています。
若手起業家たちは、こうした土壌の上に、ペットと人が共に過ごせる新しい空間をつくり出しています。
- 「非ヒト」ペット向けレストラン:ペットが主役となる飲食空間を用意し、人とペットが同じ空間でくつろげるよう工夫されています。
- 24時間対応のペット幼稚園:仕事や夜間の外出などで家を空ける飼い主に代わり、1日中ペットを預かり、世話や見守りを行うサービスです。
これらのサービスはいずれも、人間向けのサービスとほとんど変わらない、きめ細かな「人間化」された体験を提供しようとしています。
生存のためのケアから「感情のインフラ」へ
中国のペットケアは、食事や住まいといった生存のための最低限のニーズを満たす段階から、感情や関係性を支える「感情のインフラ」へと進化しつつあるとされています。
番組が描くペットサービスには、次のような役割が重なっています。
- 教育(エデュケーション):しつけや基本的なマナーづくりなどを通じて、人とペットが共に暮らしやすくする。
- 社会化(ソーシャライジング):他のペットや人との交流を促し、孤立を防ぐ。
- ヘルスケア(医療・健康管理):健康状態のチェックやケアを通じて、ペットの生活の質を高める。
こうしたサービスが組み合わさることで、ペットは単に「消費」の対象ではなく、人の暮らしと心理を支える存在として位置づけられていきます。
「人間以外のいのち」へのまなざし
CGTNのリポートが示すのは、ペット経済の「ブルーオーシャン」(未開拓市場)が、単なる消費の高度化にとどまらないという視点です。ペット向けビジネスは、人間以外のいのちへのまなざしを社会の中に組み込む試みとしても捉えられます。
若手起業家たちがつくる空間やサービスは、ペットを通じて人同士がつながり、支え合う場にもなり得ます。ペット経済は、モノを買う場としてだけでなく、人といのちの関係を問い直す「社会の支え」として広がりつつあるのかもしれません。
今後、中国のペット経済がどのように発展していくのか、そしてそこで生まれる発想が他の国や地域にもどのような影響を与えるのか。ペットと共に生きる時代の消費のかたちを考えるうえで、注目しておきたい動きです。
Reference(s):
cgtn.com








