Xizang湿地でクロヅルが「羊追いダンス」 国際生物多様性の日の小さな攻防 video poster
国際生物多様性の日だった今年5月22日、Xizang(シーザン)北部の湿地で、クロヅル(black-necked crane)が迷い込んだ羊を追い払う「羊追いダンス」を披露しました。自然の中で繰り広げられたこの小さな攻防は、生物多様性と野生動物のたくましさを象徴する光景として注目されています。
Xizang北部の湿地で見られる「羊追いダンス」
気づかないうちに野生動物の「テリトリー」に入ってしまう家畜。その代表的なシーンが、Xizang北部の湿地でときどき見られるクロヅルと羊のにらみ合いです。
迷い込んだ一頭の羊が湿地をうろつき始めると、ふだんは優雅に歩き、静かに暮らしているクロヅルたちの空気が一変します。羽を大きく広げてバサバサと音を立て、猛ダッシュで羊に向かっていき、甲高い声で鳴き続けます。
羊はその迫力に圧倒され、やがてくるりと向きを変え、そそくさと退散します。こうして湿地は、再びクロヅルたちの静かな空間を取り戻します。
国際生物多様性の日と重なった「勝利」
最新の「羊追い」は、偶然にも国際生物多様性の日である5月22日に起こりました。生き物の多様さと、それを守る大切さを考える日に、湿地の主役であるクロヅルが自らのすみかを守り抜いた形です。
羊を追い払うことに成功したあと、クロヅルたちはジャンプを繰り返しながら鳴き交わし、まるで勝利を祝うダンスのような仕草を見せました。軽やかな跳躍と呼び交わす声は、緊張から解放された喜びの表現のようにも聞こえます。
「優雅」だけではない、野生動物のしたたかさ
クロヅルと聞くと、静かで優雅な鳥をイメージする人も多いかもしれません。しかし今回のように、侵入者に対しては「羽の番人」として行動する一面もあります。
おそらく、自分たちの採食場所や巣のあるエリアを守ろうとしているのでしょう。野生動物にとって、安心してくらせる空間は、その年の繁殖や次の世代の命にも直結します。ときに激しく見える行動も、生き延びるためのごく自然な選択だと考えられます。
湿地と生物多様性を考えるきっかけに
クロヅルと羊の小さな攻防は、世界のニュースとして見ればささやかな出来事かもしれません。それでも、湿地という環境が、さまざまな生き物にとってどれほど重要かを思い出させてくれます。
- 家畜と野生動物が同じ空間を共有していること
- 野生動物には、人間の目には見えにくい「境界線」があること
- その境界線を守る行動が、生物多様性の一部を支えていること
こうした視点から見てみると、一羽一羽のクロヅルの動きが、「湿地という大きな生態系を守るためのダンス」にも見えてきます。
私たちにできること
このエピソードは遠く離れたXizangでの出来事ですが、生物多様性を守るというテーマは、私たちの日常とも無関係ではありません。自然の中を訪れるときには、そこに暮らす生き物の「テリトリー」があることを意識し、むやみに近づかない、騒がないといった配慮が求められます。
国際生物多様性の日に起きたクロヅルの「羊追いダンス」は、人と自然、そして家畜と野生動物がどのように共存していくかを静かに問いかける出来事だったと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








