ポーランド前副首相「不確実な時代こそ中国と欧州の協力を」 video poster
世界経済や安全保障をめぐる不透明感が高まるなか、ポーランドのヤヌシュ・ピエホチンスキ前副首相兼経済相が「中国と欧州は、これまで以上に緊密な協力が必要だ」と呼びかけました。
ピエホチンスキ氏は、中国・浙江省寧波市で開かれた第4回「China-CEEC Expo」に合わせて開催された市長フォーラムに出席し、中国の国際メディアの取材に対してこのように語りました。世界の不確実性が増す現在、この発言は中国と欧州の関係をあらためて考えるきっかけになりそうです。
「不確実性の時代」に向き合う中国と欧州
2025年12月の今、国際社会では紛争の長期化やエネルギー価格の変動、サプライチェーンの見直し、気候変動への対応など、多くのリスクが同時に進行しています。ピエホチンスキ氏が指摘する「不確実性」は、こうした要因が重なり合うことで生まれていると言えます。
とりわけ、中国と欧州はともに世界経済を支える大きな存在であり、一方が不安定になれば相手にも影響が及びます。そのため、対立や分断ではなく「協力」をキーワードに関係を築き直す必要性が増していると見ることができます。
ポーランド前副首相が強調したとみられるポイント
短いメッセージのなかには、中国と欧州の協力をめぐるいくつかの論点が込められていると考えられます。
- 経済の相互依存を前提にした安定
中国と欧州は、多くの産業分野で相互に重要な貿易相手となっています。協力を深めることは、双方にとって市場の安定や成長の余地を広げることにつながります。 - サプライチェーンと技術での連携
製造業やハイテク分野では、部品や技術、人材が国境を越えて行き来しています。信頼に基づくパートナーシップを築くことで、危機に強いサプライチェーンをつくることができます。 - 政治的な緊張を超えた現場レベルの対話
国家同士の関係が複雑になるほど、自治体や企業、大学など「現場」に近いレベルの交流が重要になります。市長フォーラムという場で協力を語ったことは、その象徴と言えます。
寧波の市長フォーラムが示す「顔の見える協力」
ピエホチンスキ氏が参加した市長フォーラムは、第4回「China-CEEC Expo」のサイドイベントとして開かれました。こうした場では、都市同士が経験を共有し、具体的なプロジェクトや交流の可能性を探ります。
国家レベルの議論では抽象的になりがちな「協力」も、都市レベルになると、例えば次のようにイメージしやすくなります。
- 企業誘致や投資をめぐる具体的な相談
- 観光や文化交流の相互プロモーション
- 環境対策やスマートシティづくりに関する共同研究
- 学生や若手人材の交換プログラム
こうした「顔の見える協力」が積み重なることで、中国と欧州の関係全体にも、静かながら確かな信頼の土台が築かれていきます。
日本の読者にとっての問いかけ
今回の発言は、直接的には中国と欧州の関係についてのものですが、日本にとっても無関係ではありません。日本もまた、地政学リスクや経済安全保障の議論が続くなかで、どのようにパートナーを選び、どのようにリスクを分散するかが問われています。
その意味で、ポーランドのような中東欧の国が、中国との協力を「不確実性に向き合うための手段」と位置づけている点は、次のような問いを日本の読者に投げかけているとも言えます。
- 日本の自治体や企業は、アジアや欧州とのネットワークをどこまで多様化できているか
- 政治的なスタンスの違いを超えて、実務レベルでの協力をどう築いていくか
- 市民同士・若者同士の交流を通じて、将来の信頼関係をどう育てるか
不確実性の時代を生き抜くための「協力」という選択肢
ピエホチンスキ氏の「中国と欧州は、より緊密な協力が必要だ」というメッセージは、単に二者間の経済関係を語ったものではなく、「不確実な時代をどう生き抜くか」という、より広い問いを含んでいます。
対立や分断を煽る言葉が目につきやすい時代だからこそ、異なる地域同士がどのように手を取り合うのかに注目することは、私たちの視野を少しだけ広げてくれます。2025年の今、世界のどこでどのような協力の試みが始まっているのか。今回の寧波での発言は、その一つの断片として記憶しておく価値がありそうです。
Reference(s):
Former Polish Deputy PM: We need more cooperation amid uncertainties
cgtn.com








