中国・中東欧博覧会、ハンガリー国営放送アンカーが語る協力の意味 video poster
中国浙江省寧波市で第4回中国・中東欧諸国博覧会が開催され、14の中東欧諸国に加え、CEEプラスと呼ばれる9のパートナー国からも数百種類の特産品が集まっています。ハンガリーの国営放送MTVAのアンカー、バラージュ・ベレギ氏は、この博覧会が中国と中東欧の経済協力と文化交流を一段と深める要となっていると強調しました。
寧波で開かれる中国・中東欧博覧会とは
今回の中国・中東欧諸国博覧会は、第4回となる国際イベントです。会場となっているのは、中国東部の港湾都市・寧波。物流拠点としての強みを生かし、中東欧から運ばれた多様な商品が一堂に並びます。
会場には、14の中東欧諸国と、CEEプラスと位置づけられた9カ国の企業や団体が参加し、次のような分野で特色を打ち出しています。
- ワインや農産物、加工食品などの食関連の特産品
- デザイン雑貨や伝統工芸品
- 観光や教育などサービス分野のプロモーション
単なる展示だけでなく、ビジネスマッチングやフォーラムも組み合わされ、中国と中東欧の企業同士が直接対話し、具体的な取引や共同プロジェクトにつなげる場にもなっています。
ハンガリーMTVAアンカーが見る「経済と文化」の二つの顔
ハンガリーの国営放送MTVAでアンカーを務めるバラージュ・ベレギ氏は、今回の博覧会について、中国と中東欧の関係を語るうえで欠かせないイベントだと捉えています。特に、経済と文化という二つの側面から、その意味を指摘しています。
中小企業にとっての「入り口」になる経済協力
ベレギ氏が注目するのは、中小企業にとってのハードルを下げている点です。大企業だけが参加する国際会議とは異なり、特産品を扱う中小の生産者や地場企業が、多くの来場者やバイヤーと直接接点を持つことができます。
ブースを通じて、中東欧のワインやはちみつ、乳製品などが中国市場に紹介される一方、中国側の参加者にとっては、まだあまり知られていない中東欧ブランドを発掘する機会になります。こうした積み重ねが、貿易統計の数字には表れにくい「信頼関係」や「顔の見える取引」を育てていくといえます。
食と観光がつなぐ文化交流
もう一つの柱が文化交流です。会場では、料理や音楽、伝統衣装などを通じて、中東欧の歴史や生活文化が紹介されています。食や観光は言葉の壁を越えやすく、中国の来場者が中東欧諸国への親しみを持つきっかけになりやすい分野です。
ベレギ氏は、経済協力の土台には相互理解が必要だと見ています。文化イベントを併設した博覧会のスタイルは、商品だけを売るのではなく、「地域そのもののストーリー」を伝える試みとして位置づけられます。
なぜ今、中国と中東欧の協力が注目されるのか
2020年代に入り、世界経済は不確実性が高まり、サプライチェーンの多様化や新たな市場開拓が多くの国と企業にとって課題になっています。こうした中で、中国と中東欧の協力は、次のような観点から注目を集めています。
- 中国市場にとっての新たなパートナー:多様な産業構造と文化を持つ中東欧諸国との連携は、輸入の多様化や投資機会の拡大につながる
- 中東欧側から見た成長機会:中国の消費市場や物流ネットワークを活用し、自国ブランドを広めるきっかけになる
- 物流とデジタルの結び付き:港湾都市・寧波の機能と、オンライン取引や越境電子商取引(クロスボーダーEC)を組み合わせ、新しいビジネスモデルを試す場になりうる
ベレギ氏が「博覧会の意義」として強調したのも、こうした経済的な利害関係だけでなく、長期的なパートナーシップの土台づくりという視点です。
日本の読者にとってのポイント
日本から見ると、中国と中東欧という組み合わせは、やや距離のある話題に感じられるかもしれません。しかし、グローバルなビジネスや国際関係を考えるうえで、いくつかの示唆があります。
- 新興市場の動きを知る手がかり:中国と中東欧の協力は、欧州の中でもこれまで注目度が高くなかった地域のポテンシャルを映し出している
- モノ+文化の発信というスタイル:特産品と文化イベントを組み合わせて紹介する方法は、日本の地域産品や観光プロモーションにも応用しやすい
- 多国間のプラットフォームの重要性:一対一の国交だけでなく、多数の国と地域が集まる場をどう設計するかが、これからの国際協力の鍵になっている
国際ニュースとしての「中国・中東欧博覧会」を追うことは、日本が今後どの地域と、どのような形で関係を深めていくのかを考えるヒントにもなります。
これからの中国・中東欧協力をどう見るか
寧波で開かれている中国・中東欧諸国博覧会は、数字に表れやすい貿易や投資の拡大だけでなく、人と人との出会いや、文化への関心を生み出す場としても機能しています。ハンガリーの公共メディアの視点からその意義が語られたことは、この協力枠組みが中国側だけの取り組みではなく、中東欧側にとっても重要なテーマになっていることを示しているといえるでしょう。
これからの焦点になりそうなのは、次のような問いです。
- どれだけ多くの中小企業や地方都市が、この枠組みに実際にアクセスできるのか
- 文化交流を一過性のイベントに終わらせず、教育や若者交流など長期的なつながりに発展させられるか
- 環境や持続可能性といった価値を、経済協力の中心に据えられるか
中国と中東欧の協力は、単なる地域ニュースではなく、グローバル化のあり方を静かに問い直す動きの一つとして捉えることもできます。ニュースを追いながら、自分ならどのような連携や交流の形を望むのか、少し立ち止まって考えてみる価値がありそうです。
Reference(s):
Hungary's MTVA anchor on China-CEEC cooperation significance
cgtn.com








