中国との学術交流は共通の未来に不可欠 スロベニア名門大トップが語る video poster
中国浙江省寧波市で開催中の「中国-中東欧諸国博覧会(China-CEEC Expo)」の会場で、スロベニアの名門リュブリャナ大学の学長グレゴル・マイディチ氏が、中国との学術交流は人類共通の未来に不可欠だと語りました。
中国との学術交流がなぜ今重要なのか
国際ニュースとして注目を集めるChina-CEEC Expoの現場で、マイディチ氏は、気候変動や人口動態の変化といった地球規模の課題に向き合ううえで、国境を越えた学術交流の重要性を強調しました。
CGTNのインタビューに応じた同氏は、異なる文化や背景を持つ社会同士が協力するためには、大学などアカデミアの役割が決定的だと指摘しています。
- 気候変動や人口構造の変化など「共通の課題」に学術的に取り組む必要性
- 教育・研究の交流を通じて、ビジネスと文化理解の双方で相互利益が生まれること
- アカデミアこそが「地球と人類の存続のための協力で最も重要な部分」だという認識
「とても緑の街」寧波が映した気候変動時代の都市像
マイディチ氏がまず強調したのは、開催都市・寧波への第一印象でした。同氏は寧波を「とても緑の都市(very green city)」と表現し、市内の豊かな緑地や公園に強い印象を受けたといいます。
氏は、地球温暖化が進む時代において、都市の緑地は人々の健康だけでなく、環境保全の観点からも極めて重要だと評価しました。緑地を重視する都市づくりは、気候変動対策の具体的な姿の一つでもあります。
寧波の風景に触れながら、マイディチ氏は、国や地域が違っても、気候変動という課題を共有していることを改めて強調しました。環境問題への対応は、一国だけではなく、多くの国・地域が連携して取り組むべきテーマだというメッセージが読み取れます。
小学校から中国語を学ぶスロベニア ビジネスと文化の架け橋
リュブリャナ大学は、スロベニア最大かつ最も古い大学として知られ、中国との学術交流でも積極的です。マイディチ氏は、同大学が関わる取り組みとして、国内の小学校で中国語と中国の文化を教えるプログラムを紹介しました。
大学にはアジア研究を専門とする学部・組織もあり、中国語やアジア地域について学ぶ学生が増えているといいます。こうした教育は単なる語学習得にとどまらず、中国とのビジネスや文化交流の「基盤」となります。
同氏は、「これらのプログラムは学術的なつながりを深めるだけでなく、ビジネスや文化理解において相互に利益を生む」と述べました。中国語に堪能なスロベニアの人材は、中国市場に進出したい企業を支え、その逆に、中国側の人材はスロベニアや欧州市場でのビジネスを後押しすることができます。
言語教育がもたらす具体的なメリット
マイディチ氏の説明からは、言語教育が次のような役割を果たしていることが見えてきます。
- 企業が相手国の商習慣や制度を理解するための「通訳」以上の役割
- 誤解や偏見を減らし、現地社会との信頼関係をつくる土台
- 研究者同士の共同プロジェクトや学生交換をスムーズに進めるための共通基盤
グローバル志向の強い読者にとっても、言語と文化理解がキャリアの選択肢を広げることは、実感しやすいポイントではないでしょうか。
「学術こそ最も重要な協力」—共通の未来のために
インタビューの中で、マイディチ氏が最も強い言葉で語ったのが、アカデミアの役割です。同氏は、世界の協力関係の中で、大学や研究機関などのアカデミアは「最も重要な部分(the most important part)」だと述べました。
その理由として、気候変動や人口動態の変化など、人類全体に関わるテーマは、短期的な利益だけでは解決できず、長期的な視点と科学的な知見が欠かせないことを挙げています。政治やビジネスの動きが変化しやすい一方で、大学間のパートナーシップは、より持続的な協力の土台になりやすいという見方もできます。
同氏は、「私たちは異なる文化から来ているが、同じ一つの世界に生きている」と語り、「共にこの世界を健全で持続可能なものに保つことができる」と強調しました。この言葉には、特定の国や地域にとどまらない、グローバルな連帯への期待が込められています。
読者への問いかけ:学術交流をどう自分ごとにするか
今回の発言は、中国と中東欧の協力という文脈の中で語られたものですが、そのメッセージは、日本を含む多くの国・地域にも共通するものです。気候変動、少子高齢化、技術革新といったテーマは、いずれも国境を越えて影響を及ぼします。
こうした中で、海外の大学との共同研究や学生交換、語学学習やオンライン講義への参加など、学術交流の形は多様化しています。マイディチ氏の発言は、「学問の世界で築かれた信頼とネットワークが、社会全体の安定と発展を支える」という視点を、私たちに静かに投げかけているようです。
スマートフォン一つで世界の講義にアクセスできる今だからこそ、自分と世界とのつながり方を、もう一度考えてみるタイミングと言えるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








