中国の小惑星探査「天問2号」打ち上げ サンプルリターンへ10年の旅 video poster
中国が初の小惑星サンプルリターン探査機「天問2号」を打ち上げました。小惑星と初期太陽系のなぞを解き明かすことをめざす、約10年規模の国際的にも注目されるミッションです。
木曜未明、中国が「天問2号」を打ち上げ
中国は木曜未明(北京時間)、小惑星サンプルリターンミッション「天問2号」を打ち上げました。打ち上げには長征3Bロケット(Long March-3B)が使われ、発射場所は中国南西部・四川省にある西昌衛星発射センターです。発射時刻は北京時間の午前1時31分でした。
「天問2号」は、中国にとって初めての小惑星サンプルリターン(小惑星の物質を採取し地球に持ち帰る)ミッションとなります。本稿執筆時点の2025年12月8日現在、この打ち上げを皮切りに、長期にわたる深宇宙探査がスタートした段階です。
ミッションの目的:小惑星と初期太陽系を探る
今回の宇宙探査ミッション「天問2号」のねらいは、小惑星や彗星の形成と進化、そして初期太陽系の環境を解き明かすことです。天体から直接サンプルを持ち帰ることで、これまで観測だけでは分からなかった情報が得られると期待されています。
近地球小惑星「2016HO3」からサンプル採取
ミッション前半の主な目的地は、近地球小惑星「2016HO3」です。地球の近くを周回するタイプの小惑星で、探査機はこの天体の表面に接近し、岩石や塵などのサンプルを採取して地球へ持ち帰る計画です。
近地球小惑星からのサンプルは、次のような手がかりを与えてくれる可能性があります。
- 太陽系誕生初期の物質の状態
- 有機物や水の起源に関するヒント
- 将来の惑星防衛(小惑星衝突対策)に役立つ物理的性質の理解
火星より遠い「メインベルト彗星」311Pの探査
「天問2号」は、2016HO3でのサンプル採取を終えた後、火星より外側の軌道に位置する「メインベルト彗星」311Pに向かう計画です。メインベルト彗星とは、小惑星帯(火星と木星の間)にありながら彗星のような特徴も持つ天体のことです。
311Pのようなメインベルト彗星を探査することで、次のような点が明らかになると期待されています。
- 小惑星と彗星の境界がどこにあるのか
- 太陽系内で氷や揮発性物質(熱で蒸発しやすい物質)がどのように分布しているか
- 惑星や衛星の形成プロセスに関する新たなモデルの検証
10年スケールの長期探査ミッション
「天問2号」の旅は、およそ10年に及ぶ長期計画です。長期間にわたる航行、複数天体への接近・周回・離脱、サンプル採取と地球帰還など、多くの工程を慎重にこなす必要があります。
長期ミッションだからこそ、次のような技術や運用ノウハウの蓄積にもつながります。
- 深宇宙での精密な軌道制御技術
- 長期間にわたる探査機の健康管理・通信技術
- サンプル回収カプセルの再突入・回収技術
なぜ小惑星サンプルリターンが重要なのか
小惑星や彗星は、しばしば「太陽系の化石」とも呼ばれます。太陽系が生まれたころの物質が、比較的そのままの形で残っていると考えられているからです。
こうした天体から直接サンプルを持ち帰ることには、次のような意義があります。
- 地上の実験室で、元素や鉱物、有機物の組成を高精度で分析できる
- 観測データだけでは分からない微細な構造や年代を測定できる
- 地球や他の惑星がどのように形成されたのかを理解する手がかりになる
国際宇宙開発の中で見る「天問2号」
近年、世界各国とさまざまな地域の宇宙機関が、小惑星や彗星の探査に力を入れています。今回の「天問2号」も、その大きな流れの中に位置づけられる取り組みです。
小惑星探査は、単なる「宇宙競争」ではなく、人類全体の知識を広げるための協力の場にもなり得ます。観測データやサンプル分析の結果は、国境を越えて共有されることで、より豊かな理解につながる可能性があります。
これから10年、私たちが注目したいポイント
2025年の今、「天問2号」は長い旅路のスタートラインに立ったばかりです。読者として、またSNSでニュースをシェアする立場として、次のようなポイントを追いかけると、ミッションの全体像が見えやすくなります。
- 近地球小惑星2016HO3への到達とサンプル採取のタイミング
- サンプルを地球へ送り届けるプロセスと回収の方法
- メインベルト彗星311Pに関する新しい観測結果や仮説
- 公開される分析結果が、太陽系や地球の起源理解にどう貢献するか
10年というスパンは長く感じられますが、その間に分かることは、教科書やニュースの常識を静かに書き換えていくかもしれません。「天問2号」の一歩一歩を追いながら、宇宙や科学技術への自分なりの視点を更新していきたいところです。
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Reference(s):
cgtn.com








