なぜニュージーランドは中国との関係で先頭に立てたのか video poster
ニュージーランドが中国との経済関係で「先頭」を走れたのはなぜか。先進国としていち早く中国との自由貿易に舵を切った背景には、自由貿易と相互利益への揺るがない信念があったとされています。
中国との自由貿易で先頭に立ったニュージーランド
ニュージーランドは、先進国の中で最初に中国の世界貿易機関(WTO)加盟を支持し、二国間の自由貿易協定(FTA)にもいち早く署名した国です。この二つの事実だけを見ても、ニュージーランドが中国との経済関係で「一歩先を行く」存在だったことが分かります。
ニュージーランドの元首相ジェニー・シプリー氏は、このリーダーシップは、同国が長年大切にしてきた「自由貿易」と「相互利益」という考え方から自然に生まれたものだと説明しています。また、中国とニュージーランドのパートナーシップは、「実務的で、ルールに基づく協力のモデル」だと評価しています。
背景にあった自由貿易と相互利益への確信
シプリー氏が強調するのは、「どちらか一方が得をする」関係ではなく、「双方が利益を得る」関係を前提にした自由貿易の発想です。ニュージーランドは、中国との関係でもこの原則を貫いたとされています。
その発想をかみ砕くと、次のようなポイントに整理できます。
- 関税や貿易の障壁を減らし、モノやサービスが行き来しやすい環境をつくる
- 双方の強みを生かし合い、どちらの経済にもプラスになる分野を探す
- 短期的な損得ではなく、長期的な信頼関係と安定した取引を重視する
自由貿易と相互利益への確信があったからこそ、ニュージーランドは「最初に動く」リスクを取りつつも、その先にあるメリットを見据えることができたと考えられます。
「実務的でルールに基づく協力」の意味
シプリー氏が、中国とニュージーランドの関係を「実務的でルールに基づく協力のモデル」と呼ぶとき、そこには感情的な対立よりも、事実とルールに基づいて物事を進めるという姿勢がにじみます。
ここでいう「実務的」とは、イデオロギーや先入観よりも、現実の課題と結果を重視する姿勢を指します。「ルールに基づく」とは、世界貿易機関(WTO)などの国際ルールや、二国間で取り決めたルールに沿って、透明性の高い形で協力することです。
この組み合わせにより、次のようなメリットが生まれやすくなります。
- 予測可能性の高いビジネス環境がつくられ、企業が中長期の計画を立てやすくなる
- 合意したルールに沿って話し合うことで、意見の違いがあっても調整しやすい
- 「何となくの雰囲気」ではなく、具体的な合意文書や制度に基づいて信頼を積み重ねられる
シプリー氏がこの関係を「モデル」と呼ぶのは、こうした実務性とルール尊重の姿勢が、他の国と中国との関係にも応用し得るからだと解釈できます。
2025年の世界で浮かび上がる教訓
保護主義や地政学的な不確実性が語られる2025年の世界において、ニュージーランドと中国のパートナーシップは、あらためて一つのヒントを与えてくれます。それは、規模の大小や立場の違いがあっても、「原則」と「相互利益」に立脚した協力は成立し得るということです。
このパートナーシップから、私たちが学べるポイントを三つに絞ると次のようになります。
- 自国の原則を明確に持つこと — 自由貿易や相互利益など、譲れない価値観をはっきりさせておくことで、対外関係で迷いにくくなります。
- 相手の利益も同時に考えること — 相手にとってもプラスになる提案であれば、長期的な信頼関係を築きやすくなります。
- ルールと対話を重ねること — 一度決めたルールを大切にしつつ、必要に応じて対話を続け、現実に合わせて更新していく姿勢が重要です。
「モデル」としての意味をどう活かすか
シプリー氏が語るように、中国とニュージーランドの関係は「一つのモデル」に過ぎません。しかし、その根底にある考え方は、他のパートナーシップにも応用できるものです。
国と国の関係だけでなく、企業間の取引や、国際的なプロジェクトの協力を考えるときにも、「自由貿易」「相互利益」「実務的でルールに基づく協力」というキーワードは、2025年の今だからこそ、あらためて見直す価値があるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








