国連安保理のガザ即時停戦案、米国が拒否権 行方は video poster
ガザ即時停戦を求める国連安保理決議案、米国が拒否権
ガザ情勢をめぐり、国連安全保障理事会で即時停戦と人道支援の制限解除を求める決議案が採決されましたが、米国が拒否権を行使し、否決されました。安保理15理事国のうち、米国を除く14カ国が賛成に回るなかでの拒否権行使となり、国際社会の議論が一段と高まりそうです。
何が起きたのか
現地時間の水曜日、国連安全保障理事会でガザ情勢に関する決議案の採決が行われました。決議案は、任期付きの理事国である10カ国が共同で提出したもので、ガザでの即時停戦と、人道支援に対するすべての制限を直ちに解除することを求める内容でした。
採決の結果、理事国15カ国のうち14カ国が賛成しましたが、拒否権を持つ米国が反対票を投じたため、決議案は採択に至りませんでした。安保理では、常任理事国が拒否権を行使すると、賛成多数であっても決議は成立しません。
決議案のポイント
今回の国連安保理決議案には、ガザ情勢と人道支援をめぐって次のような点が盛り込まれていました。
- ガザ地区での即時停戦を求める
- 人道支援に対するあらゆる制限の即時解除を求める
- 任期理事国10カ国が共同で提出した案である
- 採決では15理事国中14カ国が賛成した
とくに、人道支援の制限解除を「即時」に求めた点は、ガザの住民に対する物資・医療・水や電力などの支援を強化しようとする国際社会の問題意識を反映しているといえます。
安保理の拒否権とは何か
国連安全保障理事会は、国際の平和と安全の維持を主な任務とする機関です。常任理事国が持つ「拒否権」は、この安保理における最も強力な権限の一つです。
安保理では、手続き上の問題を除き、多くの決議が「9カ国以上の賛成」と「常任理事国に反対票がないこと」を条件に採択されます。つまり、たとえ多くの国が賛成しても、常任理事国の一国が反対に回って拒否権を行使すれば、決議案は成立しません。
今回も、賛成14、反対1という大差の票数でしたが、常任理事国である米国の拒否権行使により、決議案は否決される結果となりました。
なぜ今回の採決が注目されるのか
今回の採決が注目される理由の一つは、「14対1」という票の割れ方です。理事国のほとんどが即時停戦と人道支援の拡大に賛同した一方で、米国が拒否権を行使したことで、安保理内の意見のずれが改めて浮き彫りになりました。
決議案が採択されていれば、ガザ情勢をめぐる国際社会のメッセージとして、「即時停戦」と「人道支援の妨げとなる制限の解除」が明確に打ち出されることになりました。しかし否決されたことで、国連安保理としての統一した立場を示すことはできていません。
ガザの人道状況への影響
決議案には、人道支援に対するすべての制限の「即時解除」が盛り込まれていました。こうした文言は、紛争下で支援物資の搬入や医療活動が妨げられている状況に対する強い懸念を反映しています。
今回の否決によって、ガザへの人道支援拡大をめぐる国際社会からの政治的な後押しが弱まりかねないとの見方も出そうです。一方で、安保理の決議とは別に、各国や国際機関が二国間や多国間の枠組みで支援を続ける動きもありうるため、実務レベルでの人道支援がどこまで前進するかが焦点になります。
国際政治と人道支援のはざまで
ガザ情勢をめぐる議論では、安全保障上の懸念と民間人の保護、人道支援の確保が常に複雑に絡み合います。国連安保理は本来、国際平和と安全を守るための場ですが、常任理事国の利害が対立する局面では、今回のように明確なメッセージを出せないことも少なくありません。
一方で、安保理での採決結果は、国際社会の議論の方向性を映し出す「鏡」のような役割も果たします。即時停戦と人道支援の制限解除を求める声に、どれだけの国が加わっているのか、そしてそれに対し、拒否権を持つ国がどのように対応するのかは、今後の外交的な駆け引きや紛争解決の行方に影響を与えます。
私たちが注目すべきポイント
今回のニュースから、読者が押さえておきたいポイントを整理すると次の通りです。
- ガザ即時停戦と人道支援拡大を求める決議案は、米国の拒否権行使により否決された
- 理事国15カ国のうち14カ国が賛成しており、安保理内での多数意見と拒否権の力のギャップが際立った
- 人道支援への制限解除を求める文言が否決されたことで、今後の支援のあり方が改めて問われている
- 拒否権をめぐる議論は、国連改革や国際秩序のあり方ともつながるテーマになっている
ガザ情勢は、遠い地域の出来事に見えるかもしれませんが、国連の意思決定の仕組みや、紛争下の民間人保護といった論点は、国際秩序そのものを考えるうえで避けて通れないテーマです。今後も国連安保理や各国の動きを丁寧に追いながら、「国際社会は何を優先し、どう行動しようとしているのか」を見ていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com







