夜明けの空を走る長征6号A:中国が低軌道インターネット衛星群を打ち上げ video poster
インターネット星座の一部となる低軌道衛星群が、中国北部・山西省の太原衛星発射センターから長征6号Aロケットで打ち上げられ、その軌跡が夜明けの長安タワー上空に鮮やかな光の線を描きました。
太原から打ち上げられた第4弾の低軌道衛星群
中国は金曜日の午前4時45分、山西省にある太原衛星発射センターから、新たな低軌道衛星群を打ち上げました。この衛星群は同種の衛星群としては第4弾となるグループで、インターネット星座を構成する一部とされています。
衛星は、改良型の長征6号ロケットをベースにした長征6号Aロケットに搭載され、低軌道と呼ばれる比較的地球に近い高度を周回します。低軌道衛星は地上との距離が近いぶん、通信の遅延が小さくなることが特徴です。
夜明けの長安タワーをかすめる光跡
この打ち上げの瞬間を、中国の写真家・陳炳超(Chen Bingchao)さんがとらえました。長征6号Aロケットが夜明けの空を上昇し、長安タワーの上空を通過していく様子が、空を横切る一本の光の帯として写し出されています。
まだ暗さの残る空のグラデーションと、ロケットの軌跡がつくる明るい線とのコントラストが強調され、宇宙へ向かうエネルギーと静かな都市のシルエットが、1枚の写真の中で出会っています。
インターネット星座とは何か
今回打ち上げられた衛星群は、インターネット星座と呼ばれる衛星ネットワークの一部です。インターネット星座とは、多数の通信衛星を低軌道に配置し、地球全体を覆うようにネットワークを組む構想のことです。
- 地上インフラが整っていない地域でも、インターネット接続を提供しやすい
- 災害時などに地上回線が途絶えても、通信のバックアップとして機能しうる
- 低軌道ならではの短い遅延により、高速なデータ通信が期待できる
こうした特徴から、低軌道インターネット衛星は、地上ネットワークを補完する新たなインフラとして注目されています。
宇宙とインターネットが交差する中国の取り組み
中国はここ数年、観測衛星や測位衛星だけでなく、通信・インターネット関連の衛星打ち上げも重ねています。今回のような低軌道インターネット衛星群の整備は、広大な国土を持つ同国にとって、通信網の多層化や安定化につながる可能性があります。
都市部では光ファイバーや第5世代移動通信(5G)が普及しつつある一方、山間部や海上など、地上の基地局を整備しにくい場所では、衛星通信の役割が大きくなります。低軌道衛星のネットワークが拡充されれば、こうした地域でのインターネット接続環境の改善も期待されます。
一枚の写真が映し出す「技術と日常」
長安タワーは、人々の生活空間にある建造物です。その上空をロケットの光跡が横切る写真は、宇宙開発がもはや遠い世界の出来事ではなく、私たちの日常と地続きになっていることを象徴的に示しているようにも見えます。
こうした写真は、SNSを通じて世界中に共有され、宇宙開発への関心を広げるきっかけにもなります。数字や技術仕様だけでは伝わりにくいスケール感や高揚感を、視覚的なイメージが補ってくれます。
これから注目したいポイント
今回打ち上げられた衛星群の詳細なサービス内容や運用スケジュールは、今後徐々に明らかになっていくとみられます。低軌道インターネット衛星網の整備は、中国だけでなく、各国や各地域が競い合い、協力し合いながら進めている分野です。
私たちの暮らしの中で、「どこにいても、いつでもつながる」ことがどこまで実現していくのか。長征6号Aが夜明けの空に残した光の線は、その未来へ向かう一歩でもあります。
Reference(s):
cgtn.com








